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君の名前で僕を呼んでのkidomiiiのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
北イタリアという舞台のせい(おかげ)で、我々日本人にとっては少々現実離れしているように感じられるかも。

17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)の感情は新鮮そのもので、痛々しいし危なっかしい。だけどその全部がかけがえのないもの。二度と戻らない青春の瞬き、としか言いようがない。
オリヴァー(アーミー・ハマー)と過ごした時間や、そのときに味わった苦しみ、喜び…全てが、これからのエリオの人生を彩っていく要素なんだと思うと切なかった。思い出すたびに胸が締め付けられるのに、決して忘れられない、絶対に忘れたくない思い出になるのだなぁ、と。

エリオのお父さんの言葉に重みがありすぎて、このシーンだけ本当に涙が止まらなかった。
魂も肉体も、一度しか手に出来ない。だったら、そこについた傷までも受け入れて、自分自身の人生を愛するしかないのだと。
「痛みを葬るな。」
痛みを経験し、且つ共存していく覚悟を持った人間にしか言えない言葉ですよね。

エリオが触れる音楽や文学、一家で囲む食卓、街の景色や川の流れなど、有り触れた言葉だけど全てが美しい。
忘れられない作品になりました。


★追記 2回目鑑賞
原作既読。
1回目に観た時よりも、エリオとオリヴァーそれぞれの行動や言葉の意味に理解が示せました。2人の間に起こる全てのことに意味があったのだと気付かされます。
演出の中ではやはり一番アプリコットの場面が好き。アプリコットを性の対象として、感傷の対象として効果的に使っているあまりにも繊細な描写です。
とはいえ、最もこの作品に惹かれる理由は勿論今作のストーリーの美しさにあります。純情過ぎる初恋の痛みを想起せずにはいられません。
改めて、何度観ても最高な作品だと思いました。間違いなく今年No.1の映画です。