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君の名前で僕を呼んでのあのネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

配給 ファントムフィルム
字幕 松浦美奈
ビスタ

①4/27 シネリーブル神戸
②4/29 シネリーブル神戸
③5/2 TOHO西宮

だいすきでもうスコアなんかつけたくないくらい (5点なんかじゃ足りない
まだまだ観たいのに観に行けてない、つらい

「好き」が溢れすぎていてどうしようみたいな想いや 相手を傷つけるかもしれない恐れや 様々な想いが交錯して 想いの洪水みたいな映画で その想いを全身に浴びながら あああ、、すきだと どのシーンにおいてもしみじみと感じていた

まずエリオとオリヴァー性格はもちろんのこと 全く違うタイプなのが良い
オリヴァーは正直言って見ていて暑苦しいし シャツ開けまくって着てますよ・白い歯がまぶしいですよ みたいな アメリカ人なのにイタリア感があって これならイタリアにすぐ馴染みそうだなって思う 老若男女問わず誰にでも好かれそうな外交的キャラ

対してエリオは クラシックを編曲して読書して 休日過ごして(学生でも仕事でもないってどんなポジションなんだよ)すきなことして生きていてうらやましい
色白で 典型的な自分の世界を作り上げていく 内向的タイプ
だからこそすきになったものに対してはガガガーっとそこしか見えなくなるタイプなんだろうなと

オリヴァータイプ×2でもダメだし エリオ×2でもダメ、あのふたりだからこそ成り立っている
まずキャスティングが見事

ティモシー・シャラメはドランの若い頃みたいだなぁと感じた
(作品全体がドランの初期作っぽさがある

OPからハレルヤジャンクションに黄色の鉛筆で書いたような名前がサラサラっと出てくる
この曲はピアノ2台で弾く用に作曲された曲で だんだんと層のように重なって細かい音がキラキラっとする様がもうふたりの一夏のきらめきをそのまま音にしたような最高のオープニング。。儚さもあってほんとに一夏感が強い
とくにティモシーシャラメの名前が出てくるとき、ChalametのCの中に石像の目がバチっとハマってる構図とかほんとにかっこよくて オープニングでああもうすきだ、、なにこれ、、、となった
この監督は既存の曲をその映画のために作られたかのように使うのがすごく上手だと思う(ドラン然り)
これってできる監督がいそうでなかなかいないんだよね。。ほぼ全編既存曲だからすごい しかもピアノ曲 そしてピアノ曲なのもエリオの設定ありきで選んでるんだろうけど 素晴らしすぎる
ハレルヤジャンクションは少ししか流れないけど 1曲のなかで流れるように美しいフレーズもあれば 突き刺すような痛々しい音もあって (パートⅠの終わり方なんてまさにそう)このふたりのために作られたみたいで 興味ある人はぜひパート1〜3全曲聴いてほしい 映画では少ししか使われていなかったけど パート1だけでも7分くらいある

エリオがオリヴァーへの想いが溜まりに溜まってどうしようもなくなる感じも オリヴァーが最初からすきだったよ、見せてただろっていう感じも納得だし どちらも愛おしい
想いのぶつける先がうまく定められない感じも すきすぎて悩みまくる様子も 恋愛におけるあらゆる感情がふたりに詰まってる。。。美しい 最高

エリオがオリヴァーのことをすきで悩んでいるのは 決して同性愛だから、とかじゃなくて とにかく自分の想いが強すぎて、オリヴァーをもう好きすぎてたまらない!どうしよう!みたいな方向になっているのが良いよね(原作はそれがもっとヒートアップしていて面白い 好きすぎて死ねって思ったりしてる笑
好きだっていう気持ちは大事だから
同性か異性かなんて関係ない
ただストーリーとしてそこを完全に無視しているのではなく、お父さんが自分の過去を語る言葉や オリヴァーが電話で自分だったら施設行きだって言ったり その時代における同性愛の困難さもきっちりと存在させていることも忘れていないのがいい
でもそれが押し付けがましくない
原作でどこを切り取るかというのは大切なんだけど 大切なところは全て映像化している
彼らを奇異な目で見る人なんて全くこの映画には出てこないし なんていったってご両親があんなに協力的なのは同性愛を扱う映画では初めてなのではないかな
マルシアもとてもいいひとだし

お母さんがドイツ語で本を読むシーン、
お父さんは横で神妙な面持ちで聞いていて その理由はもちろんお父さんがエリオだけではなく自分の過去にも当てはめて聞いているからなんだけど
お母さんが英訳で読んでいてfrienship...と言ったらお父さんがすごく小さな声で“friendship...” と言うんだけれども お母さんがfriendship(友情)にあたるドイツ語“Freundschaft ”と言い直したことで その声はかき消されてしまう
お父さんにとってのfriendshipは後に出てくるシーンでわかるようにとても大切なもので でもfriendship以上のものは閉ざされ、お父さんの心の中にしまわれてしまったことがわかる
仏語も伊語もわからないけど ドイツ語やっててよかった、、となった
(この映画は多言語を扱える人ならいっそうたのしめるんだろうな、、フランス語とか聞けたら、、泣
このシーンのラストでお父さんが最後に「エリオ、いつでも私たちに相談しなさい」的なことそっと言うんだけど
終盤お父さんが悲しみにくれるエリオに対してfriendshipの話を出したあと 語るんだけど ここで読み聞かせのシーンと同じ音楽が流れていて お父さん。。。となった
字幕はエリオだけど呼びかけがエリベリ、と呼んでいてさらに良い

お母さんも理解があって とてもいい
そっと寄り添う感じね。。
息子のことにすぐ気がつくし、エリオとオリヴァーが一線を超えたあとの朝にもお母さんはすぐ気付いてる(食卓の表情がなにかを推し量るような顔をしている
エリオよ、親はよく見てるよ

わたしがいちばんすきなのは エリオとオリヴァーの別れのシーンなんだけど
お互いがお互いを想っているからこそ 一言も発さない
映画において台詞なんていらないんだなぁって
あそこで変にi love youとか言っちゃうとすごく安っぽいものになってしまう
オリヴァーが電車に乗ったあと全然エリオの方を見られなくて その表情とか たまらない 大事に思ってるからこそのあの顔、、ドアが閉まってチラッとエリオの方を見やるオリヴァー、でも決して彼に手は振らない
パーっと電車が去っていって 全然違う誰かが手を振るんだけど オリヴァーの姿は見えないし 手を振ってもくれない
その姿をずっと見つめるエリオの表情は見えなくて背中を捉えるカメラ
ああ 切ない、、切ない、、つらい、、! あんなにお互いのことを愛してたのに 愛してたからこそ 直視できない現実
電車は走って行く=時間は待ってくれない
もうバスタオルいるくらい涙とまらなかった 監督うまいなぁ

撮影もすごくよくて 遠く遠くロングショットで撮ってるのとかエドワード・ヤンみたいだし 広場のエリオが告白するシーンのワンカットとか ふたりが過ごしたときを逃すまいとしているようだし
川に入るオリヴァーのシャツに水面がキラキラ反射している様子もきれいだし
とにかくなにもかもいい 美しい

ハエは 熟したフルーツに寄ってくるもののように (エリオが手に取る桃に変化があるように)エリオが成長したときに寄ってくるのかなっておもった(オリヴァーとの距離が縮まったとき・ラストオリヴァーのことを乗り越えなきゃいけないとき)

あとふたりが初めて会うシーンで お父さんがエリオとオリヴァーそれぞれに
「エリオ、オリヴァー、
オリヴァー、エリオ」と紹介するんだけど もうここからふたりの物語は始まっていることがわかるんですよね
そこからCall me by your nameな関係になっていくから
それが最後の台詞に結びつく完璧さ。。

お互いに手紙を書いてやりとりするのとか エリオが自分の想いをメモパッドに書いて消してみたいにするのもいいよねぇ
あのシーンで鉛筆の位置がカット切り替え後微妙に変わってるので そこは徹底してほしかったな

エリオのカラーは赤(ラコステ)でオリヴァーは青で 対局にあるようなんだけど
だんだんとエリオがオリヴァーの影響を受けて青を身に付けていく様子がたまらなかった
すきな人から影響を受けて服装が変わっていくことは自然なことだし オリヴァーもエリオに密かに寄り添うように赤を入れていくから(エリオが頭を入れるのも赤
原作ではエリオが考える、日毎にオリヴァーの纏う色によって彼の様子が変化していることを書いているんだけど 映画ではそこまで厳密ではなかったようにおもう
でもカラフルな水着が掛かってる様子とかはたぶん原作を読めば大きく意味が変わって見えるはず

その代わりに赤と青が美しく描かれている

オリヴァーがベルガモへ行くとき見送る人間の色は全員青を纏っていてバスも青、赤い建物を横切って行くのは
エリオのもと(街)をオリヴァーが去って行くことを暗に意味している気がした
エリオはポロシャツ、オリヴァーが珍しくTシャツを着ていて それが真っ青なラルフので ワンポイントのポロマークだけ赤なんだよね、、エリオカラーをさりげなく取り入れている!!!うおおお!
ふたりの色が完全に一致しているのに最後の旅になるベルガモの道がテーマのmystery of loveと重なって (ふたりは映らずふたりの視点だと思われる道になってる)かつて自転車で走ったひらけた道みたいなのではなくて 走りにくそうな 岩とかあってゴツゴツしていて 左は落ちそうな 奥深いところで
自転車で広い街を駆け抜けていたふたりが こんなに深くてふたりだけの世界に来てしまった感あって
なんかもうこの道のシーンからずっと泣いていたな、、、、

ベルガモに着いたときはシャツばかり着ていたオリヴァーがものすごくカジュアルな格好をしていて (山のシーンなんかとくに)
最高だよ ここはブロークバックマウンテンですよね完全に
シャツあげるのとかもそうなんだけど

マルシアに関しては 冒頭ボーダーを着てるんだけど(赤)、確信ではないんだけど たぶんエリオが着ていたブルーのボーダーと同じで
ボーダーのピッチ的におそらくですが。。
インしてるから気づきにくいけどオーバーサイズぎみなんですよ
これエリオのを着てるかなぁっておもったりして
それはフレンチなマルシアに影響されてエリオが同じのを買ったのか、お揃いで買ったのか、それともエリオのを貸してあげてるのかは不明なんだけど
でもたぶんエリオがマルシアのを真似して買ったんだと思うのね

なぜかというと
それはエリオとオリヴァーの足元を見ればわかるんだけど
エリオは最初エスパドリーユっぽいのをはいてるんだけど 家に着いたときドサっと疲れたオリヴァーがベッドに寝転がるときに足がアップになるんですが(エリオの見ている対象物であると思われる)
それがコンバースのプロレザーなんだよね (76年発売でCMBYNが1983なのでたぶんそう)
ものすごいアメリカって感じだし エリオはそれをすぐ真似してオールスターを履いてる。。足元は白のハイカットで合わせにかかってるんですよ
と思いきやエリオがせっかくハイカットはいてるのに ふたりで自転車で街に出るシーンとかでは オリヴァーはスニーカー?を履き潰してスリッポンぽくしてエリオのエスパドリーユに付けてきてるんですよね
なにこのふたり、、もうお揃い買っちゃえよ!!

マルシアのボーダーの話に戻ると
映画冒頭エリオがマルシアのいるベッドにバーっと服を投げていくんだけど
その中にマルシアが着ていたボーダーが混ざってて
あとの場面で彼女のがオーバーサイズだったのは おそらくエリオから借りたのを着ているから
デニム合わせも『なまいきシャルロット』みたいで最高

だからマルシアが冒頭で着ているボーダーはエリオのである可能性もさらに高まる

あとエリオがラスト着ていた顔のシャツもね、、、いいよね

そしてあのラストなんだけれども
エリオとオリヴァーが電話するとき
オリヴァーが“I remember everything.”と言うんだけれども 松浦美奈さんは『全部覚えてる』とせずに『なにひとつ忘れない』と訳すんだよね、、
この一夏のeverythingを思い出しながらエリオは暖炉の前でいろんな表情をするし
でもお母さんが食卓の準備をしていて現実の時は確実に進んでいて、、もうたまらかいよね

原作はふたりが再会するシーンもあるんだけど わたしはここで切って正解だったとおもう
続編を作るとか作らないとかあるけど もうこれでかなり完成しているので なくてもいいよ、、、公開したらもちろん観るけど

大概の原作ありきの映画は原作のほうがいいんだけど これに関しては絶対映画のほうがよく出来ている
でも原作を読んだ上で映画を観ると理解できるシーンが増えるので すきな方は読むほうが絶対たのしめます

原作はエリオ視点なんだけど
映画はオリヴァーの視点もあるから 彼が悩む様子や戸惑いも表現されていて
それがすごくよかった お父さんとスライド見るうちに表情が変わっていくのとか


あとこの映画のはなしをしたとき 腐女子が観る映画でしょ、と結構何人かに言われて内心ブチ切れていたんだけど
もうそんな風にこの映画を括ってしまうやつは一生観なくていい

同性愛云々ではなく 映画として素晴らしいのだよ

わたしはあと1億回観たいし ソフトが出たら必ず買います

あとパンフ転売してるやつほんと許さない
ほんとうに好きな方の手元に届きますように
(わたしは両方買いました
通常版はレビューが載っていて、豪華版は撮影日誌があるので 読み物として楽しみたい方は通常版、ビジュアルを楽しみたい方は豪華版、両方楽しみたい方は両方買えばいいと思います)

また書き足すかもしれないけど とりあえずこれにて (長

2018暫定ベスト