北沢あたる

君の名前で僕を呼んでの北沢あたるのネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

気になっていた映画だったので、映画館で観れて良かった!公開からだいぶ経つのに、ほぼ満席だった。
まず舞台背景が美しい。休暇の間に、訪れる北イタリア。自然に囲まれた家。石のプール、庭にはアプリコットが実る。夏の日差し、生い茂った草木に虫。河のほとり、夜間遊泳。石畳みの街並み。自転車で駆け抜ける畦道。
そして主演のエリオ(ティモシー・シャラメ)が美しい!少年と青年の狭間で、無邪気にはしゃぐ可愛らしさと、オリヴァーにキスを求めるエロさと、色んな表情が魅力的。プロフィールを調べてみたら、私と同じ誕生日だったので、これからも応援しようと思った。(単純)
同性愛を描いた青春映画で、ラブシーンはガッツリめ。BL好きな人は萌えるかもしれない。前の席に老夫婦が鑑賞していたけれど、どんな気持ちで見ていたのだろう? エリオもオリヴァーも夏だし、よく泳ぎにいくし、ほぼパンイチでその辺ウロウロしてる。気にせず足を広げるので、ポロリしないか心配だった。
オリヴァーはガッチリした体格で、胸毛モジャモジャ。短パンに靴下を合わせるファッションセンスが私的には微妙で、個人的に、愛でるのは、華奢で色白で、体毛の少ないエリオの方。17歳だけど、賢いため、どこか達観していて、アンニュイな感じで余暇を過ごしているのもいい。自転車に乗って街を駆け抜けるのも、原っぱに寝転がりながら文庫本を読むのも、絵になる!
映画の中で色んな言語が行き交うのも面白かった。アメリカ人のオリヴァーとは、英語で話し、家政婦さんとはイタリア語。
物語の舞台が1983年ということで、エイズが社会問題になる前の設定にしたらしいという記事を読んで納得した。カセットテープでウォークマンを聴いてたり、携帯電話がないから、公衆電話を使ったり。近代的なものがないから、物語がいっそう美しくなるのだと思う。
同性愛に理解を示す父親との会話が温かい。お互い思い合っているのに、結ばれない結末は、当時の同性愛の社会的な偏見ゆえ?
ラスト、暖炉の火を見つめながら、オリヴァーを想い咽び泣くエリオが印象的だった。当時流行っていた格好なのかな? ちょっとリーゼント風にして、大柄のシャツ(人の横顔柄、何その柄!)着たエリオが一番気に入りました。
続編構想中とのことなので、期待してます。
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