とし

君の名前で僕を呼んでのとしのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.5
古代ギリシャ・ローマ時代から珍しくなかったとされる男色関係。愛の物語は普遍で、1980年代の北イタリアでもひと夏の燃え上がる恋があった。

どこでスイッチが入ったのかはよく分からないが、胸に六芒星が光る者同士、お互いの考古学、楽曲の才、知性と感性に惹かれ、戸惑いながら落ちていく。

木々がそよぎ、鳥がさえずり、泳いで、寝て。なんかよく考えると君たちほとんど裸だな。そりゃあ絵画のような湖畔も近く、避暑地だもんね。カラダを重ねて、太陽みたくキラキラして。青年たちの気持ちを乗せたピアノの美しい旋律が終始心地いい。

話が進むにつれ、"同性愛テーマ"とかを飛び越え、観ている一人ひとりが、自分の過去を重ねるほどの激しい心の揺らぎを映し続ける

初めての恋、危険な恋。
周りが見えなくなるほどに純粋に、
美しく狂おしくココロもカラダも満たされ、
ぐちゃぐちゃになるほど甘い幸せの絶頂と、ほんの少しだけそれを俯瞰している自分を感じることがある。終わりのない恋がないことを本能で感じているように

旅のシーンは悶絶。アドリブですか?やばいです。石畳の古い町並みで、酒と夜遊びでふいに見知らぬ誰かとハジけ去ってしまう気持ちと、その好きな人に置いてかれ嫉妬交じりに距離をおきつつ、早くそばに戻ってきて欲しい人の気持ちを同時に体感できる。そんな贅沢なシーンがたまらない。

そして、ラストの父の言葉と、エンドロールが死ぬほど好きだった。

自分の愛を肯定してくれる人が身近にいること。それは偉大で、聡明で、温かい。