える丸

君の名前で僕を呼んでのえる丸のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.0
一夏の恋の物語。(男性同士)

流行りと言うと語弊があるかな?
ようやく、こういった事が映画でも描き易くなってきたと言うべきか。
セクシャルマイノリティーが対照の恋愛映画。

シナリオももちろん優れていると思うけど、映画的な美しい描き方のオンパレード。
その映像美に浸ってうっとりする映画。
いや、映像美だけではないな。
環境音にも凄くこだわっていて、虫の羽音なんかもよく聞こえてくる。
それも美しく感じたから映像美ではなく、映画美に優れた映画と言った方がしっくりくるかも。

他の男性同士を描く恋愛映画に比べると、純粋という言葉が浮かぶ。
今までの作品はマイノリティーが故に世間との摩擦を描く傾向が強かったけど、この作品は比較的2人の純粋な愛にスポットを当てていたと思う。
もちろん、マイノリティーな恋というのは間違いないからその辺の問題も描くのは描いていた。
これは切っても切れない関係なのかも。

映画美に関連するけれど、ホント、世界観の美しさはズバ抜けていた。
芸術に精通し、優雅に余裕を持って北イタリアののどかな街に暮らす主人公一家。
現代日本に暮らす自分と比べると“浮世離れ”という言葉がしっくりくる。
ホント、信じられない程、知的で芸術的で優雅な暮らしが物語の根幹にあって、それがとても映画的。
こんな生活をしている人が本当にいるのでしょうか?友だちになりたい。

セクシャルマイノリティーを描くという点で社会的な要素も併せ持つけど、観終えた今、感じるのはやっぱり映画の美しさ。
テーマがテーマ故に好みは分かれると思うけれど、映画が好きな人は観て損はないと思う。

以下、ちょっとネタバレ。

本当のラスト。
暖炉の炎を見ている主人公の演技はすげーよ。
あれは本当にエリオだった。
いや、オリヴァーだったのかも。