「淡々」と「瑞々しい」がハマる丁寧で美しい映画。
裕福で知的な環境で美しい若者が年長の男性に心惹かれる。音楽も絵も人も美しく周囲も理解があって善意的。
男前で絵も美しいけどグイグイとまでは引き込まれ無いなー、でも退屈はしないのは丁寧な描かれ方で好意的な見方ができるからかなーと観ている時は思い、
最後の父の言葉やラストシーンが、時間を置いても思い出されて(特にラストシーン)余韻が良かったと思わされる映画。
良い余韻が残るって重要。
古代ギリシャで、神々までも同性愛の時代には、大人の男性と少年が恋愛関係になるのは教育的に望ましいとされる文化があり、青年が大人になるための通過儀礼的なものとして許容されてきたと考えると、同性同士で惹かれ合うことのハードルが低いとか、葛藤への焦点が薄いのは文化的背景があるからかなと理解できる。
舞台も、その文化があった北イタリアのどこか、と前置きされていたから素直に納得。
アカデミックな環境で育っているという背景も、哲学論を戦わせるシーンもあったし。
あと個人的にシャラメ君の泣きシーンが良かった。