Scarborough

君の名前で僕を呼んでのScarboroughのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.0
透明感に見惚れてしまった。
映像の作り込みも、イタリアの風景も、2人の心の機微も、どこまでも透き通るようで、淡い色合いの水彩画を眺めているような気持ちになる。

個人的に興味深かったのは、エリオたちが複数言語を話していたこと。英語にイタリア語にフランス語。ユダヤ系の環境なら珍しいことではないのかもしれないけれど、フランス語で会話してたところに英語で返事をしていたり、イタリア語の中に英語が飛び込んできたりするのを耳にすると、言語学癖が抜けてないせいか、談話分析の材料にしても面白いかも、とか考えてしまう。language repertoire がどんな風に彼らの中に存在しているのか、とても気になる。

本筋から逸れてしまったけれど、恋って、こんなにも美しく、狂おしく、切ないものだったんだなぁと思わせられる映画。エンドロールも良かった。
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