emily

君の名前で僕を呼んでのemilyのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.4
1980年代の北イタリアを舞台に17歳の少年が24歳の大学生と出会い恋に落ちていく様を、切なくも瑞々しく描く。


イタリアの避暑地の開放感。扉越しの閉鎖的なカメラ 、美しい街並み 、教会、少年の目線でカメラは捉え、その心情の動きをしっかり映す。また音楽と音の効果が絶妙。全くマッチしてないような音楽が結構なボリュームで鳴り響くと主役の少年のグネグネした心情が流れこんでくるような錯覚を感じる。

広い空間を自転車を漕いでいく2人。瑞々しくてキラキラしてて、惹かれながらも距離感を保ってる2人、徐々にふれあい葛藤を感じながら絶妙な距離感をカメラいっぱいに使って描写していく。

北イタリアの美しい風景美とまばゆいまでの太陽の日差しが、2人の純粋な愛を浮き彫りにし、少年が全身で表現する愛に胸が苦しくなる。いつか終わるとわかってるから、その一瞬の幸せを逃さない。苦しくて切なくて、究極の純愛。別れる辛さから言葉の一つもでてこない2人が印象的だ。少年が一つの恋をし、表情にも色気が出てきて 一つ成長していく。

幸せな時間があまりにもきらびやかだったから、一人でなった時の辛さは底知れない。しかしその分究極の恋をして、最高の時間を過ごせたのだ。恋することの胸の苦しさやドキドキ感を追体験させてくれる、素晴らしいラブストーリーです。
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