身体が溶けて誰かと混ざりあって幸福で泣いて 身体が引き裂かれる痛みを知って泣いて それはそれは途方も無く深い傷痕になるのかもしれないけれど
わたしにはわたしの名前で呼びたい誰かも 呼ばれたい名を持つ誰かも 未だ現れたことはなく ただ弱いばかりの心は悲しまないように悲しまないようにと隠れる内にすっかり磨り減って歳を取った だから お互いがお互いであったから強く惹きあい 愛しあった二人が羨ましかったよ
どうか二人とも それぞれ それぞれにとってしあわせに生きてほしいな
心底愛おしいと思った人に 心底愛おしいと伝えられること そもそもそんな人に出会えること 何も当たり前じゃないから 人は 愛 を何度も何度も描くんだろうな
とにかく美しい映画だった 音楽も見事で きらめく水面 澄んだ空気 やわらかな日射し 夢みたいだったよ
