映像120点。色調も画面構成もファッションも表情もすべて美しい。
作り込まれた映像、哲学的なセリフ、ラストシーンの長回しや、その後の静かなエンディングまで完全に世界観が出来上がっていて、そこに観客を引き込むのがうまい。
観ている間ずっと、完成された世界に浸っているので、観終わった後はなんだか美しい夢でも見ていたかのような気分になる。
ストーリーはまさに青春映画で、こういったテーマの作品には珍しく、甘さ多めだったと思う。ただそのテーマ故の、大人としての思いや葛藤、少年の心の機微、迷いなどの内面部分はうまく描かれていると感じた。
ラストシーンが妙に切なく印象に残る映画。
内容にもっと深みが出そうな続編に期待。