Lambrusco

君の名前で僕を呼んでのLambruscoのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
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僕はこの映画が好になれなかった。儚く綺麗な映画と評価されていますが、全くそう思えなかった。

青年エリオの心の動きを追う一夏の青春物語。

パンツだけ履いて半裸で毎日生活してなんら不自由のない生活。毎朝広すぎる庭でモーニングを食べる。街に人も少なく活気がなく誰も働いていない。なぜ街が死んでいるのか。いったいここはなんなのか。現実離れしすぎて感じたんです。ユートピアどころかディストピアと感じて怖かった。

エリオとオリヴァーが中心になりすぎて街並みや景色や他の登場人物に意識を向ける気持ちの余裕がなかったのかもしれません。それだけ引き込まれたという事なんだと思いたいのですが。混乱しました。

アメリカ人オリヴァーの姑息な駆け引きとも思える言動、微妙な距離感の作り方にも嫌悪感。単純にオリヴァーが気にくわないとか男同士の性交渉が気持ち悪いとかそういう理由でもなく終始この違和感からくる嫌悪感に悩まされた。

決してつまらない映画というわけでもなく、自分の気持ちをどう扱って良いのか混乱することの連続だったような気がします。もちろん良いシーンもたくさんあったし語れる要素も多いです。好きな映画ではないけれど、映画としての評価はむしろ高いです。

人生で気持ちが通じ合える相手とどれだけ出逢えるのだろうか、それはなんと幸せなことだろうか、と考えさせられる終盤も良かったです。

幸せの価値観は人それぞれ。「好き」という言葉を使わずに気持ちを伝え合う二人のやりとりも素敵。

続編も制作されるらしく今後の二人の気持ちの変化が楽しみでもあります。

色々と納得がいかないのでまた機会があったら観ようと思います。
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