物語の舞台(土台)があまりにも完璧すぎるじゃん? な一作。
イタリアン・オシャレをここまでの音楽と映像美で見せつけられるとは! 西洋へのミーハー意識が強いジャパニーズなら卒倒モノの世界観。
いや、自然、町並み、建物、ピアノ、生絞りジュース、哲学、遺跡を研究している学者だとか何とかかんとか、どの瞬間を切り取ってもアート的オーラを放つなか、超美少年のふたりで繰り広げられるBLって……おいおいおい、条件整いすぎやろ!
そして、エリオが一人で自慰行為にふけるのに使ったのは何と、、、プラム!? オシャレが過ぎるとプラニーなんて新境地に到達してしまうってか。どこまでアートなんだよ! 日本じゃ「コンニャクを使うとイイらしいぜ」とかわけわからん噂が出回っているというのに。この時点で勝てるワケがない。
タイトル通りの展開にはすごくグッとくるし、「感情を無視することはあまりにも惜しい」と諭すダディに、あの超ロング定点観測のラスト。もはや『美しきBL』の域を余裕で超えた、人生という普遍的テーマの地点に到達したのであ〜る───。
あんなところで生まれ育っていたら、俺だってクラシックの名作曲家になっていたかもしれない……。そんな甘美な妄想が頭をよぎってしまってるので、いつか一緒にこの映画の聖地巡礼をする人、募集中。