きえ

君の名前で僕を呼んでのきえのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.9
この作品のレビューは
『Later!』後でと言いたいところですが笑、とにかく🍑の使い方⁈に新たな発見を頂いた作品です(爆)

美しいリゾート地での非日常的な舞台で起きた美しい男達の甘酸っぱい恋の軌跡はまるで並んででも食べたい人気限定スイーツの様な女心を擽る味でした。

男が男を好きになる事って同性愛か否かに関わらずある時期通過儀礼なのでは?と言う仮説が浮かんだりする。普通それは憧れと言う感情に差し替えられているんだと思うけど、性の階段を上る少年にとってオス全盛の魅惑的な大人の男性はまさにその憧れであって深層心理では恋慕なのでは?

憧れられ恋しがられるフェロモン全開のオリヴァーにアーミー・ハマーはこれ以上にない適役でこれまた適役のティモシー・シャラメ演じるエリオの危うく切ない恋心と絶妙に絡むインスタ映え感ったらなかった。

でもこの映画はそれだけの映画じゃない。人を好きになった時の感情の軌跡が性別を越えて普遍的に綴られる。だから特別な恋などではなく誰もが経験した恋の物語として共感出来るのだ。

大人の恋と少年期の一途さが結んで行くラストの長回しは今年の映画の中で上位に来る秀逸なラストだった。ただただエリオを見つめるその眼差しに静かな感情の変化を見せていくシャラメの演技の豊かさに魅せられ切ない恋の余韻に浸った。
きえ

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