リリィ

君の名前で僕を呼んでのリリィのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
素晴らしい映画。ストーリー、演技、映像、すべて良かった。すべてが真実で自然で明白。
やっぱり映像が綺麗で、北イタリアの陽気、光、果物や色の鮮やかさ、水。そして身軽さ、気怠さ。
エリオの彫刻のような美しさ、若さとラテンの肌の柔らかさと湿度、男子高校生の持て余したかんじや怠さ、思春期の脆さやエネルギー。それに対して、オリヴァーの典型的なアメリカ人らしさ、シンプルさ、乾いてそばかすっぽい肌。それらしさを出そうとしたのは狙ったんだろうけど、俳優が秀逸ながらしっかり演じていてすごい。その、自分と違う魅力に惹かれあっているようなかんじもした。英語、イタリア語、フランス語が混じっていたのも良い。それぞれの綺麗さが出ていた。
男同士の恋愛の危うさ脆さ、暴力的なほどのエネルギー。
でも、わかるわかるわかる……と思いながら泣いたので、どんな恋愛でも感じるような喜び、苦しみ、辛さ、切なさ、迷い、がしっかり演じられていて、泣けるほど。
単に男友達といるような楽しさとか、恋人といる幸せさとかをとっても感じられて尊いなぁ。
やはり極めつけは最後のお父さんの話で、あれは最初は余計だなと思ったけど、でも観客に対する教説というか。しっかり言語化して教え諭してくれてるかんじ。私も改めてすごく救われた。この言葉で救われる人はたくさんいると思う。
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