かつて「アナザーカントリー」や
「モーリス」を夢中になって観ました。
脚本はかのジェームス・アイヴォリー。
もちろん描かれるのは男同士の愛。
でも過去の作品ほど、
心動かされなかったのは、
アーミー・ハマーがいかにも
アメリカンでガチムチ過ぎたから?
シャラメ君がタイプじゃないから?
やっぱり英国紳士が好き…
それはさておき、
スラリとした少年の
あどけなさの残るエリオと、
成熟した大人の男の
色気を漂わせるオリヴァー。
まるで彫刻のように美しい二人が、
北イタリアの絵のように美しい
夏の風景の中で、
想いを通わせるみずみずしさ。
美しすぎる…ため息がでる。
初めての感情にとまどいながらも、
愛することの喜びを隠せない、
エリオのふるまいの愛らしいこと。
夏の避暑地に集う、
ハイソな階級人が繰り広げる、
芸術的かつ文学的なメタファーの数々や、
美しい音楽に彩られ、
高尚な愛の物語に仕上がっている。
結末はやっぱり、
ハッピーエンドではないが、
ある人物の心からの告白により、
人を愛することの尊さをしみじみ思う。
君の名前で僕を呼んで。
愛というものは、
引き離された分身を探すもの。