アナ

君の名前で僕を呼んでのアナのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.1
北イタリアの田舎風景、繊細な音楽、アーミーハマーの八重歯。

エリオを演じるティモシーシャラメの少年と青年の狭間の微妙な年頃。しなやか且つ伸びやかな肉体と繊細な感性の機微、自由に動き回る開放感が全編通して気持ち良い。

容姿端麗、頭脳明晰、人当たり良し。
自分に自信があるもの同士が、なんとなく惹かれ合い、お互いをさらけ出した時。相手の前だとなぜか自信がなくなってしまう、悩ましい存在。2人の関係性は説得力があり、鮮やかに恋愛的だった。
オリヴァー(アーミーハマー)はずるいけど、そんなずるいところまでもが彼らしくて憎らしくて愛おしい訳。一方でオリヴァーはひたすら優位に立とうとするけれど、そうでもしないと自尊心と己を保てない位、実はエリオに夢中になっている。

両親が、エリオを全面的に信頼していたのも良かった。この両親もまた、それぞれに自信と誇りを持っているからこそ、息子を信じる事が出来るのかもしれない。

ラストのお父さんのお話は号泣してしまった。そうだよね、人を好きになるって、この人には敵わないって思ってしまうようなある種の屈服の気持ちね。
アナ

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