昇り龍天覚寺

君の名前で僕を呼んでの昇り龍天覚寺のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
2.5
映像美が見事だし、二人の間に流れる言語化できないセクシャルな雰囲気みたいなものが美しかった。
とにかく言語化しない映画だなと思った。みんな具体的・即物的な物言いはしないし、相手の解釈に委ねている。
逆に言えば「分かりやすさ」みたいなのが無いということで、「え?え?どういうこと?」「なんでそうなるの?」と思ってしまうところがあったと言えばあった。

原作は小説ということで(これも後で調べた)、そう思うとストーリーラインもさもありなん。でも調べたところ、原作は結構官能小説に近い形なのかな?とも思った。

ラストの切なさ、みたいなのは感じられたけど、結婚っていうオチもまあ読めたしなあ…。物語としての淡々とした温度の低さは詩的と言えばそうだけど、感情を大きく動かすには物足りないかも。

アーミー・ハマーのズボンの丈がどんどん短くなっていくのに中盤からずっと気になってて、そしたら鷲掴みにするシーンがあったのでなるほど。と思った。特に前半から中盤、とにかく裸のシーンが多い。裸、水浴び、裸。映像美、セックス、桃。
ティモシー・シャラメの身体はどこか危うい未成熟なティーンのようで、アーミー・ハマーの身体は肉厚でセクシー。ファン的にはあれだけで満足できるといえばそうかも。

基本的にセックスシンボルとしての役割?をアーミーの方が請け負っていたのが意外だった。(見る前は、アーミーが美少年のティモシーに熱をあげる映画かと思っていた。)

同性愛抑圧の部分も、正直時代にしては描写がオブラートというか、甘いというか、この映画全体に言えることだけど、直接的な描写はそれほどしていなかったように思う。
正直、「何が言いたいのか分からない」と思ってしまった。この映画をいいと思えなかった自分が悔しい。