コール・ミー・バイ・ユア・ネーム(原題)の作品情報・感想・評価 - 2ページ目

コール・ミー・バイ・ユア・ネーム(原題)2017年製作の映画)

Call Me by Your Name

上映日:2018年

製作国:

上映時間:132分

あらすじ

1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と夏を過ごす17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。一緒に自転車で街を散策したり、泳いだり、午後を読書や音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオのオリヴァーへの気持ちは、やがて初めて知る恋へと変わっていく。 眩しすぎる太陽の中で、激しく恋に落ちるふたり、しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいてくる。

「コール・ミー・バイ・ユア・ネーム(原題)」に投稿された感想・評価

LANINA

LANINAの感想・評価

4.5
買い物をして、フラットに戻る前に、キッチンに行ったの。スキムミルク、オレンジジュースをフリッジにつっこんで、それから。少し悩んでカゴに入れたready-madeのサラダはパーティ用でとっても大きい。えーと、今夜は全然食べる気がおきないからこれを1人で食べればいいやって思ったんだった。だけどドレッシングは自分で作らなくちゃってちゃんと覚えていたしストックもあった。ひとつはん、レモンを絞る。オリーブオイルとそれをシェイクして、部屋にこもるためにfood strage containerに入れ替えた野菜にかけて、満を辞してバルサミコ・ビネガーのご登場。そんな感じで誰もいないのをいいことにJess Glynneをサラウンドで流しながらやることを終えて、やっとお部屋に戻る。そして、コートをハンガーにかけるために、クローゼットを開けた。There is a silence.フラットメイトと話をしてもいないから、わたし以外の音はここにない。そこにはわたしの"時間"があるだけ。なんでもないそんなわたしの1日の終わり。そう、その「なんでもないこと」。なんともない日々。そのなんともない日々のピースが、この作品にはゆるやかにうつくしく、織り込んである。ピアノを弾き、水と戯れ、踊る、はるかかなたの調べに想いを馳せる。日差しの中で、夜、ベッドの上、草むら、石の路地で、まどろみ、足がもつれ、肩を寄せ合う。あの背中と、笑顔と、桃と、自転車。なんということもないすべてがかがやき、きらめいてみえる夏。なんということもなかったの!それでも、すべてがきらめいていて。そこには確かにロマンスじゃない、"more than a good friendship"が在った。 言葉の意味以上の、いいや、言葉ではあらわせない輝き。悲しくても、つらくても、苦しくても、輝いていたのなら、つめたい冬、しんしんと雪が降り積もるようなしじまにおいてもなお、"それ"が輝き続けるなら。わたしたちはそのなにかを、なかったことにしては、いけないんだ。Papàがエリオに伝えたこと、わたしはエリオより少し大きいから、わかるよ。いいえ多分、エリオもきっと、知ってしまったね。"Later."
原作を、続きから、読む。

昨日から「そういえばOSTは解禁されていなかったっけ」とApple Musicで予習を始めていました。M.A.Y in the backyard!Sakamotoさん!猫たちのための曲、とってもぴったりだった。そして、Zion hört die Wächter singenなどなど。日常の音こそがすべて。けれど、そのピースを繊細なステッチで飾るようなサウンドトラックにも、耳を傾けてほしい。ああでも、そんなのはもういつでもいいかも。最初にふたりがセックスをする前から、なんだか涙が止まりませんでした。夏は魔法をたずさえてやってくる。すぐに消えてしまうからこそ、烈しく、うつくしい呪いを。その残り香はいつだってそこにあるかもしれない。ふとした瞬間に、「ああここにまだ在る」と感じることはできるかもしれない。けれど、そのうつくしさそのものを抱きしめることは、魔法そのものにもう一度抱きしめてもらうことは、誰にとってもとてもむつかしい。エンドロールにも、あとシーンのピントの使い方にもハッとしました。そして「エリオ」から「オリバー」へのシャツ(あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)!Jesus Christ!課題をやる。

このレビューはネタバレを含みます

時は1983年、イタリアを舞台に、ユダヤ人大学教授の息子エリオと、同じくユダヤ人で、教授の助手として6週間滞在するオリバーが、細胞レベルで恋に落ちるお話。原作は、アンドレ・アシマンの2007年に出版された同名小説。監督は、『胸騒ぎのシチリア』のルカ・グァダニーノ氏。初めのシーンからぐっと引き込まれるイタリアの独特の景色、美しい少年とハンサムな美青年との冷と熱の間での駆け引き、絶妙なサウンドが、見事にマッチし、言葉にならないほどの芸術的感性とエロティシズムと知的好奇心をくすぐられる、完成度の高い素晴らしい作品。エリオを演じたティモシーは、イタリアにオリバー演じるアーミーより1ヶ月前から、言語(父親がフランス人のため、フランス語と英語はネイティブ)に加え、ピアノ(元から弾けた)、ギターの猛特訓を受けていた。オリバーがイタリア入りしたのは、撮影の約1ヶ月前。作品内で、エリオがオリバーを連れて街を案内したり、二人で自転車で出かかるシーンが出てくるが、実際、英語を話せる相手は互いしかおらず、ティモシーはアーミーを連れて町を案内し、その後も撮影、夜の語らい、週末を通じて密な時間を過ごした。おかげで、本番には自然に役に入ることができた。アーミー曰く、このように共演者を親友とまで呼べるほど仲良くなったのは初めてだそう。ティモシーも心からアーミーを信頼することができたとインタビューで語っている。因みに双方ともユダヤ人の血筋(ティモシーは母親がユダヤ人で、アーミーも有名なユダヤ人石油王を曾祖父にもつ)。リハーサルは一回だけ、グァダニーノ監督にバックヤードに呼び出された二人は、いきなりシーン67をしてみてくれという指示を受ける。それはただのキスシーン。演じるが「もっと感情を込めて!」との監督の指示、二人は感情を込めて何度もキスシーンを繰り返した、ふと気がつくと、監督は二人をそのままに、どこかに行ってしまったそうだ。微笑ましい二人のインタビューの数々も見応えがある。

実はこの作品、原作を読んでる人は知っていると思うが、物語の途中(しかも悲しい場面)で終わっている。続きは、グァダニーノ監督曰く作る意欲はあるそうで、『ビフォア・サンライズ』シリーズのようにしたいそう。公開は2020年を考えている。その話がインタビューで出た時には、すぐにアーミーが「I am in」と答え、それを見て、ティモシーも手を挙げた。原作には(私を含め)読者の多くはエリオとオリバーのハッピーエンドと読めるようなエンディングが描かれているが、監督は、「原作に忠実にするかはまだ決めておらず、エリオはゲイでなくて、今作に登場するガールフレンドと関係を続けているように描くかもしれない」と示唆している。【このレビューの後間もなく公式で続編制作、2020年公開が決定:作品内容は原作に詳しく描かれていない3年後の物語で、エリオは自身をゲイとの認識には至っておらず自己を模索中。恐らく15年後〜20年後の物語(原作)の前編となる可能性有り】個人的には、ここまで今作(映画)が繊細巧みに原作に沿ってきたんだから、ぜひとも最後まで原作を大切にして欲しいと思う。ゲイが描かれた評価の高い映画作品はいくつかあるが、そのほとんどが悲しい内容である。どうか一つここで、映画としての格調と芸術性を備えた、ハッピーエンドな男性同士の同性愛映画を完成させて欲しい。
りんこ

りんこの感想・評価

4.5
少年(エリオット君)のひと夏の淡い思い出的な
映像(窓から見える自然など)とピアノの音楽がとても繊細で、少年とリンクしていてとても良かった。サントラほしい。特にオープニングが好き。
そしてアーミーハマーさんが終始短パン(パン一?笑)で足の長さが余計に強調されていた(?)。
話は繊細でシリアスな感じかと思いきや、けっこう笑ってる人とかいた。ツボってた人にツボるという、、、アーミーハマーさんと少年の組み合わせが新鮮(?)
瑞々しかったーーーーいやーー!瑞々しい!!!どうしようもない瑞々しさ!!そして17歳役うまかったなーあの子!
umi

umiの感想・評価

5.0

長くて短い夏の詩だった。2017年にもなって、ここまで美しい映画が観られることにただ感謝をさせてほしい…7回映画館で観るという惚けぶりで私の映画史に残りました。

こんなにはっきりと(2人の見た目にも現れているように)、ある種男女の様に描かれたLGBT映画を私は初めて観た様な気がする。厳格な親や反発する周囲は存在しなくて、あとは二人の気持ちの話であること。年齢や性別関係なく、誰もが知っている葛藤や苛立ちや欲望が根底に流れていることがとても好きだった。

瑞々しい色で描かれるイタリアの夏が恋しくてたまらない。きっとオリバーは夏っていう幻影で、私たちはその、ふと来て去っていく強引な季節に惹かれているんだなあ…

交わされる多言語、ピアノの音、全てが非日常的に美しいのに、何処かでこの世界が存在しているとしか思えない圧倒的な表現力。それから親の愛が全てだったと思う。エリオとオリバーの愛よりも、親子の愛の話だよねこれは。…嗚呼〜語りたいことが多過ぎるので原作から少しだけ勝手に翻訳して無理やり締めておくことにする…

"朝、あの丸いテーブルで楽譜を書き写しながら僕が期待していたのは、友情でも他のなんでもなく、ふと顔を上げた時に彼を見つけることだった。

日焼け用ローション、ストローハット、赤い水着、そしてレモネード。

君を見つけることだったんだよ、オリバー。遅れることなく来てしまう、君を見つけられない日々のために。"
dohi

dohiの感想・評価

4.5
-Call me by your name, and I’ll call you mine.

どれだけ時間が経ってもあの清々しくてそれと同時にとても脆い雰囲気を忘れられない。
色も、音楽も、役者さんも、台詞も小道具も舞台も何もかもがこの映画のためにあるかのよう。
とても好き。
LGBTQ映画の傑作として高い前評判を得ていた本作、2人がもどかしいくらいさぐりさぐり関係を築いていく過程を通して、エリオの自己探索・受容の過程を描いたComing-of-age映画であった。

感情描写に非常に重きが置かれていて丁寧、セックスよりもそれ以外の2人の触れ合い(肉体的接触以外も含めて)のほうが濃密に感じられるくらい。
そして音楽・効果音が印象的で、(エリオの)世界観に没入するのに大きな助けとなる 特にあの歴史ある別荘の中に「いる」感覚。

どこかでぐわーっと盛り上がる頂点があるタイプの話ではないし、ハッピーエンドと言える終わりでもないのだけど、気づかぬうちにしんしんと雪が積もっていくように、観終わった後にはある程度の満足感・充足感が得られるかなと思います。
あと無性に桃が食べたくなるか暫く桃を直視できなくなります。

予告を見た時はティモシー・シャラメ演じるエリオがアーミー・ハマー演じるオリヴァーに比べて随分幼く見えて、エリオの一方的な憧れに近い片想いに終わるか、オリヴァーが圧倒的にイニシアティブをとるのか、なんて想像していたけれども、そんなことはなかった。バランスのとり方が上手い。

別にそこまで重苦しい話ではない。クスッとくるシーンも多いし実際に場内では結構笑いが起きていたし。
あと「ルカ・グァダニーノ監督の男性のダンス・水泳シーンへの執着心よ」みたいなレビューがあって笑った。
Note: One of the BEST adapted screenplay of this year.

Full Review is only available on my review site.

- 22.01.17 Sundance Film Festival
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