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オーシャンズ8のmのレビュー・感想・評価

オーシャンズ8(2017年製作の映画)
4.9
そう、ヘレン・ガーリー・ブラウンの言う通り『悪い女の子はどこにでも行ける』のだ。ありとあらゆる面で最高の映画です。ありがとうございました。

前オーシャンズ・シリーズ全てを軽く凌駕する素晴らしさ。「オーシャンズ11」の冒頭を意識しつつ発展せてあっさり超えていく冒頭からすぐに心掴まれる。
脚本と演出のテクニックは軽やかにさり気なく高度。8人のキャラクターは全員ステレオタイプを崩して魅力的、役者の魅力も完璧に引き出す。彼女達の人物紹介の仕方も素早く的確。ヘイスト物としても流麗でお見事、大仕事が終わったと思ったらまだまだ続く構成も面白い(強奪計画の大きな穴はご愛嬌)。あんな人やこんな人も顔を出すメットガラの内幕物としても愉しい。衣装と音楽も素晴らしい。

そして実にさり気なく、女性達をエンパワメントする娯楽映画として尊い価値がある。それぞれのキャラクター達の抱える問題、『色仕掛け』や『情念』などといった既成のイメージの『女っぽさ』を廃したドライさ、そして彼女達の『女性らしさ』など無視した男達と同じクールでスマートな活躍。大人の女性達がひたすらカッコいい。男達の扱いのぞんざいさも『分かってる』。

カッコいい女達の軽やかな連帯が本当に最高。こういうのが観たかったし、こういうのが必要だった。そしてアン・ハサウェイの終盤の台詞に笑いながら涙した。あのトイレでのサンドラ・ブロックの鏡越しの台詞も。
大人の女性達だけでなく、世界のどこかの『8歳の少女』の力にもなる映画だった。日本以外の世界はどんどん先に進んでいる。

夢のように素晴らしい映画だった。
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