スリルもへったくれもない。
もうとにかくお話が酷い。ネックレスの留め具の件でようやくピンチらしいピンチが訪れたと思いきや、次の瞬間にはもう解決しているという……人を不安にさせようとか驚かせようとか、そういうサービス精神はないんか。マジで「アン・ハサウェイが可愛い」くらいしかいいとこがない。
演出も音楽も弛緩しているので「ゲイリー・ロスも『エキストランド』のあの監督みたいに、雇われ仕事でしかもこんな脚本で、やる気が出なかったんだろうな」と一人で納得していたのだが、ラストのエンドロールでこいつが脚本も手掛けていたことに気づいて腰を抜かした。カットが変わるときの画面クルクルもたまらない。どういうセンスだ。