しんご

オーシャンズ8のしんごのレビュー・感想・評価

オーシャンズ8(2017年製作の映画)
3.9
サンドラ・ブロックがダニー・オーシャンの妹デビー役で主演する段階で公開前から胸熱な作品だったが、実際も夏休みにピッタリのライトな犯罪映画だった。

「オーシャンズ11」(00)を彷彿させる展開は本シリーズのファンからすると新鮮味にやや欠けるが、キャストが全員女性となり舞台もニューヨークに移るとまた新しい魅力が加わるもの。中でも、ルー役のケイト・ブランシェットの存在感が圧巻でさすが「アビエイター」(04)でアカデミー賞を取っただけあると思わせる貫禄。セクシードレスからスカジャンまでお洒落に着こなす姉御肌キャラが観客の心をどこまでも牽引していったように思う。水色のパンツスーツ姿で大股開きで淡々と語る彼女はもはやただのイケメン。

それと同じくらい好きだったのがローズ役のヘレナ・ボナム=カーター。「ファイト・クラブ」(99)でのイカれた女から「英国王のスピーチ」(10)における芯の強い国王夫人までとにかく役の幅がめちゃくちゃ広い女優さんだけど、今回は崖っぷちで気の弱いデザイナーというオーシャンズシリーズには絶対いないタイプのコメディリリーフを熱演。この人の気の弱さで観てるこっちがやきもきするからやっぱ演技の上手い女優さんなんだなと再認識。

肝心のストーリーはファッションの祭典から1億5000千万ドルのダイヤを盗むというもの。狙いがシンプルな分、祭典に至るセットアップが割と長めに設定されているがこの演出もスピーディーで見やすい。ただ、4個ほど偶然に左右され過ぎな事情を普通に計画に練り込んでいるのが気になったけどこの手の作品のお約束として許します笑。

本家のあんなキャラが出てきたり、ラストのデビーの服装などファンがニヤりとする小ネタも見逃せない。
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