ポロ～ンとおっぱいが出ているだけの日活ロマンポルノからジャンルを飛び越えてロマンポルノ以外の映画になってる作品に出会うのは当たりなのかもしれない。
表向きは夫と上手くいかないおさな妻が家を飛び出して色々あって夫の元に戻るという話だが、その本質は山の中にある「海のレストラン・深海魚」というドライブインに立ち寄った為に巻き込まれる「悪魔のいけにえ」の変奏曲。
上品に言えばサイコスリラー、下品に言えば奇人変人大図鑑。
コンプライアンスがガバガバのユルユルの時代に書かれた脚本は最初は悪ふざけ度MAXで楽しいがどんどんそれが煮詰まってきて胸クソにまで仕上がる。
とにかく画面の中の運動量がものすごい。
半ケツカーチェイスから始まってセックスまでもが寝技重視の総合格闘技のようにわちゃわちゃぐちょぐちょ誰かしら動いている。
でいて猥雑だけでなく撮影が安藤庄平さんだけあって暗闇に浮き上がるタバコの火のような職人技なのか遊びなのかよくわからないけど映画的なのもあって。
馬鹿と天才は紙一重みたいなところはある。
