シネマスナイパーF

くるみ割り人形と秘密の王国のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

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美術自慢映画に終わってんじゃねえかなー…本当にそうだったよ!!!!!
耳大きめのネズミに案内され、素敵な王国に行って冒険して帰ってくる話で、ミッキーが王道ストーリーに連れてってくれるんだけど、あんまり魅力的じゃないなーこの映画
お母さんの発明やばすぎやしねえかとかそんな野暮なツッコミはしないよ
単純に話として魅力的じゃない


まさかこの部品は叔父様の家の時計の!?という展開を作るなら、あらかじめその時計を見せておいてくれよ
最初に出会った衛兵が実はあの時のオーナメントでしたと言いたいのなら、オープニングで簡単にでもいいからお母さんとのエピソードを入れてから現在時制に飛ばせば、クララや家族の母を亡くした喪失感に肩入れしやすいし、そこでオーナメント出せば初対面時もう一悶着入れられるし、より一層フィリップとのドラマを作れたかもしれないでしょ?

まず、家族が亡くし悲しんでいて王国の人々も欲しているお母さんが、この映画において台風の目であるはずなのに存在感が中途半端すぎる
登場させるならもっと強烈に話へ食い込ませるべきだし、出し渋るなら完全に空虚な中心として、カリスマとして描いた方がいい
母親絡みのエピソードが全部中途半端なために、父娘の確執やおもちゃたちの寂しさなどの良いテーマが薄味になってしまっている

王国に行ってからは、話や世界観がこちらの期待を大きく裏切る狭さで、そりゃあ面白くないわ
第4の国以外の国は若干紹介されるだけで、終盤なんか第4の国と宮殿の距離感もおかしく感じる
クララが、本来は科学っ子っぽいのにアッサリとプリンセスであることを受け入れちゃうので、姉ちゃんではなくクララが選ばれたことの説得力も薄まってしまった
それに、女の子が素手で相手にできるレベルの兵力ってどうなんでしょうね
何よりも、これは宣伝が悪いのでしょうが、黒幕がわかりやすすぎるのは良くない


ボロクソ言ってしまいましたが、別に叩くつもりもなく
寂しいからこそ忘れないとかいい台詞もあったし
パンフレット読む限りだと、プロダクションデザインの方や衣装ヘアメイクデザイナーの方々は、作品に奥行きを与える努力をされていて、劇中では描かれない、それぞれの国では何が行われているかや独自のバックボーンを考えてらっしゃいましたので、その辺活かしきれなかった連中が戦犯ということに
そのせいで余計に美術面だけが浮いた作品に見えてしまったのも事実
プロダクションノートも半分がバレエシーンについてで、力の入れどころのバランスが悪かったとしか言えない

ファミリー映画として短くまとめることに終始して、結果最低限のことを無理矢理詰め込んで体裁だけなんとか保った感じがしちゃうな
ただただつまらなかった
親父が娘たちに手を出しそうな雰囲気やばい