話に集中できないくらいフォイたん(©︎ピッコロさん)のお顔が完成されすぎててちょっと怖い。美は強すぎると圧力になるの見本。クララってせいぜい14歳くらいまでだよね、という意識で見てたからフォイたんが大人っぽ過ぎて違和感があったし、ネズミの王が結構グロいのにも驚いた(もののけ姫でサンが乙事主さまに飲み込まれるとこ思い出した)。衣装やヘアメイクは全部可愛くて終始うっとり。特にアミダラ姫みたいな髪型と白いロイヤル風ドレスは格別だった。兵隊帽とナポレオンジャケットも似合う！たっぷり襞を寄せてるのに軽やかで、動くと上品に広がる赤いスカートもアクションに気品を与えてた。
でもやっぱり致命的に話が薄味で、キーラナイトレイ以外に際立つキャラクターも居ないし、何かの手違いで採用する脚本が入れ替わっちゃったんじゃないの？と勘ぐるぐらい残念だった。おとぎ話なんだから変な捻りはいらないんだけど、すこぶる賢くて勇敢で迷いなく兵隊に指図するクララにあんまり思い入れを持てないし、母親との絆もふんわりしてて沁みて来ないし、あの国にもっと居たいとも思わないし、バレエシーンは素晴らしかったからもっと全編に散りばめてバレエミュージカルっぽくして欲しかったかな。こんなこと言い出したら台無しなんだけど、どうしても「あの背景もこの演出も隣のおもちゃもCGだから殆どグリーンバックで演技してるんだよな。。」って没入できずに、くるみ割り人形のように焦点の定まらない空っぽの目で見てしまった。
