時という金色の漣は
宇宙(おおぞら)の唇に
生まれた吐息ね〜♫
心に埋もれた優しさの
星たちが炎上げ呼び合う♫
金色に輝く機体。だがその輝きは白き魔性に掻き消されていく…。その中、真の覚醒を持って一つの時代に終止符を打つ翼に明日はあるのか…。
「機動戦士Zガンダム
A New Translation星の鼓動は愛」
宇宙世紀0087
ティターンズとエゥーゴの内戦は新たな局面を迎えようとしていた。ジオンの亡霊、アクシズの地球圏への帰還である。1年戦争終結時、ジオン残党は木星圏にある資源採掘用拠点、アクシズへと落ち延び、要塞化、新型MS開発で再軍備を行い、今正に地球圏へと帰還した。方やティターンズはグリプスをコロニーレーザー化。ア・バオア・クーと合わせゼダンの門とし、宇宙移民を恫喝せんとする…。(ここまで小杉十郎太さんの声)
Zガンダム3部作完結編です。
混沌(カオス)と言う言葉が相応しい展開。ニュータイプであろうと誰一人、分かり合うことのない悲しきエゴの世界。何一つ前に進むことなき混沌の宇宙には絶望しか残りませんね、本来は。その絶望はクワトロを取り込み、逆襲のシャアへと繋がっていく。そしてその絶望を変えていくのはカミーユではなく、ZZのジュドーの役目でした。そうコレだけの激しいエゴと主張のぶつかり合いは何も生まず、残るのは傷つき疲れた心だけであり、それを訴えるには一度作品を閉じる以外になかったのです。TVでは。
変えちゃいました…。ニュータイプである彼は救われます。人々の悲しい想いを束ね、力とし…。良かったのか、悪かったのか?間違いなく宇宙世紀はパラレル化しました…。まぁ、この後、逆シャアに繋がっても無理はないんですが、ハマーン様はどうなっちまったか、わかりませんしね。ジュドーたちが如何に鬼子であっても悲しいもの。神様の気まぐれにも困ったものですと当時思いましたよ。
そしてダカール演説もなく、昔ほれてくれた女に嬲られ、蹂躙されるのみのクワトロ=シャア。どこまでも男であり、野望のシロッコ。どこまでも女であり、妄執のハマーン。ニュータイプでありながら、自らのエゴに迷わぬ二人に、自らのニュータイプに人類を覚醒させ争いのない世界にすると言う意義に迷い、力も発揮できないクワトロ=シャアの絶望。カミーユがいなければ…。彼が姿を消し、再び立ち上がるには時間が必要なのはわかるし、その展開としては理解できるが…。余りにも悲しいですよ…。
富野由悠季は自らが提示したニュータイプの意義すら、混沌を生む道具とし争いの根深さと虚しさを描いた。
それはいい。
だが映画としてはどうなのだ。編集はどうなのだ。(クワトロ調で) TV版の名台詞は消え、複雑な三つ巴、コロニーレーザー攻防戦はもはや一つのシークエンスにまとめられ、後半は戦場シーンだけがつながっていく。良い部分もあるが、やはり単調で無理がある…。
新作画を中心とするなら、もっと大胆な改編があっても良かった気がします。素材はあるのだから。(但しカツとサラはオミットすべきだ…。) だが良いシーンと感じる場面や、楽しめた部分もあるのは、TVの懐かしい記憶がこの些かモノ足りない映画を脳内補足しているからでしょうね。
レビューはここまで…。以下は見た方、好きな方だけに向けたいつもの奴…。
ブライト「ここの連中は時間の流れがとまっているのか…?」
ハマーン「サビ家の正統な後継者、ミネバ・ザビであります!」
アクシズ旗艦グワダン内に通されたエゥーゴ使節団が見たのはサビ家そのものである、玉座のある謁見の間…。ザビ家の亡霊たちに傀儡となるミネバに憤るシャアはハマーンに詰め寄る。交渉は決裂しグワダンから脱出する使節団。
ハマーン「やはり裏切るのかい」
シャア「元々私は裏切ってはいない」
グワダンから脱出し、アーガマに戻った彼らに、ドゴスギアのMS部隊が仕掛ける。3機編隊のハンブラビがレコアのメタス、カミーユのZを襲う。
「ハイパーボイルをくらえ!」
ヤザン・ラムサス・ダンケルの連携技蜘蛛の巣をくらいピンチに陥るZ。其の隙にメタスを犯すように破壊するヤザン。突き刺さるテールスタビライザーに爆散するメタスからレコアはシロッコの元へ運ばれる。ラーディッシュの援護により危機を脱するアーガマ。ドゴスギアはグワダンに接触。ミネバを姫御子と呼ぶシロッコの慇懃無礼さが際立つ…。
ティターンズはコロニーレーザーとア・バオア・クーを合わせゼダンの門を形成。宇宙移民ににらみを利かす。ドゴスギアをバスク大佐にシロッコが返上するが、ジュピトリスは兵を揃え始めた。
クワトロ「キュベレイだ、あれを完成させていたか」
コロニーレーザーを用意したティターンズに対しエゥーゴは再度ハマーンと会談する…。
ハマーン「シャアからそう頼まれるというのは嬉しいよ。しかしお前はものの頼み方を知らないな…。」
シャア「頼む、ハマーン。」
サングラスを外し頭をさげるシャア。
シャア「頼む」
ハマーン「やってみるさ」
悲しい…。屈辱に塗れるシャア・アズナブル。シャアの言葉を真似、満足げなハマーン。榊原良子さんの演技が光る。
ハマーンはティターンズ総帥ジャミトフとの会見に臨むが決裂。アクシズはア・バオア・クーことゼダンの門に激突せんとする。ティターンズ艦隊を閉じ込めるため、エゥーゴ艦隊は攻撃を開始する!
ジュピトリスからはサラのボリノーク・サマーン、レコアのパラス・アテネが偵察で発進。サラへの説得を試みるカミーユだが聞き入れられない。レコアはアーガマを強襲するが、未だ迷いは取れずファのメタスに妨害され、カミーユと相見える…。シロッコに利用されながらも、女としての分を通さんとする二人が悲しい…。カミーユの怒りと苛立ちが宇宙に木霊する。その中ファを守ったアポリーはジェリドのバイアランの一撃に命を落とす…。
戦いの主導権を握ったハマーンに対し、シャアとアナハイム・エレクトロニクスのメラニー会長は表敬訪問する。だがハマーンはシロッコ、ジャミトフとも再会見を用意していた。
シロッコの危機にあたり、放たれたサラのビームにより会見は終了するが、
シロッコ「ジャミトフ閣下、若い女を口説ききれませんでしたな…。」
ジャミトフを暗殺するシロッコ。彼の野望が遂に萌芽する…。
シロッコのジ・オ対ハマーンのキュベレイ。サイキックウェーブの共振による金縛りになる二人に迫るカツのGディフェンサーのロングライフル。だがシロッコをかばったサラがその一撃に散る…。ララァオマージュだが、その効果は薄く…。
コロニーレーザーを抑えたアクシズに対し発動されるエゥーゴのメールシュトローム作戦。カミーユは1人ハマーンのキュベレイを狙う…。ハマーンとカミーユが共振し分かり合えるかと思える刹那、
ハマーン「気安いぞ、少年!私を迷わせようとするとは生意気な!」
ハマーン「土足で人の中に入るな!」
カミーユを否定し離脱するハマーン。
囮となり、ティターンズ艦隊をひきつけるヘンケンのラーディッシュ。ヤザンのハンブラビ隊の猛攻を受ける!エマのmkⅡとGディフェンサーが支援に入る!スーパーガンダムとなったエマのロングライフルはダンケル・ラムサスを屠るが…。調子にのったカツのコアファイターはヤザンに敢えなく落される…。宇宙に木霊する最後…。怒りのエマの攻撃も虚しく、ヤザンのハンブラビに追い詰められるエマのmkⅡ。彼女を救うためにラーディッシュの男たちは前進する。
「ラーディッシュ!エマ機救出に前進!対空機銃!」
「敵機の動きが早いぞ!機銃座落とせ!」
「方位二度修正入ります!」
「エマ中尉がやばいんだよ!」
ヘンケン「諸君すまない…。加速は47だ!」
ヤザン「岩ごとばらしてやる!何!船?」
エマ「ラーディッシュ?」
ヘンケン「左舷!敵モビルスーツを叩き落とせ!」
エマ「ヘンケン艦長!無茶です!撃沈されます!」
ハンブラビの容赦ない爆撃はラーディッシュの艦橋を正確に射抜く!
ヘンケン「エマ…!」
エマ「ヘンケン艦長…。」
爆沈するラーディッシュ。ストーカージェリドを振り切り、その爆炎の中に叩き込むカミーユ。
ここは男たちの船ラーディッシュが素晴らしい。ヘンケンの想いを悟り、エマを守る男泣きのシーン。カミーユ、エマは生き残ったものの努めを果たさんとする。心にダメージを受けながらも…。
エゥーゴはコロニーレーザーを奪取したが、ハマーンのキュベレイ、ガザ部隊、シロッコのジ・オ、レコアのパラス・アテネ、ヤザンのハンブラビが迫る。シャアの百式のメガバズーカランチャーがガザ部隊を一瞬で屠るもジ・オとキュベレイに追い込まれる!レコアのパラス・アテネとヤザンのハンブラビはカミーユのZを追い込む!そこに割って入るmkⅡ。
エマ「カミーユ!ハンブラビを追いなさい!」
レコア「男たちって戦いばかりで女を道具にしか使えないんだから私は…。」
女で有りすぎたレコアと主義を貫いたエマは相打ちとなり、爆砕するレコア。脱出したエマもヤザンの砲撃に傷つく…。
ヤザン「ゼータ逃さん!」
カミーユ「貴様!人がいっぱい死んでいくのを感じないのか!」
ヤザン「お前にはそれを実感させてやろうってんだよ!」
カミーユ「遊ぶなー!」
カミーユの怒りを身にまとったかのように赤く発光し、ハンブラビに迫るZ。激しく伸びたビームサーベルはハンブラビを叩き斬る!
エマ「カミーユ、私の命を吸って…。そして勝つのよ!」
エマの想いを取り込み、最後の戦場へ向かうカミーユ…。
高機動の権化たるジ・オとサイコミュの化身キュベレイに追い込まれコロニーレーザー内に追い詰められる百式!
シャア「シロッコめ!」
ハマーン「レーザー砲を潰そうと言うのかい!」
シャア「これ以上破壊されると…そっち!」
シロッコ「死にに来たか!」
ジ・オの砲撃にぐらつく百式をキュベレイのサーベルが襲う!片腕を飛ばされ、激突する百式!
シロッコ「ここまでだな!」
ハマーン「シャア!」
シャア「そうかい!」
ハマーン「シャア私のもとに戻ってくる気はないか!」
シャア「今更!」
シロッコ「もう貴様は消えていい!」
ジ・オのライフルが百式の足を飛ばす!
シャア「ええい!まだ終わらんよ!」
コロニーレーザー内に生身で逃げ込むシャア。後を追うハマーン。
アーガマのブライトは耐えていた!アーガマを囮にし、コロニーレーザーの発射タイミングを狙っていた…。
コロニー内の劇場で相見えるハマーン、シロッコ、シャア。
シャア「私はただ、世界を間違った方向にもって行きたくないだけだ!」
ハマーン「どうやってだ?」
シャア「ニュータイプへ覚醒することによって!」
ハマーン「人類がそれ程賢い存在だとおもっているのか!愚劣な!」
カミーユ「それは違うぞ!」
カミーユの声が響く!ファが助けに入り、脱出する三人。
コロニーレーザーは準備を完了していた…。
カミーユ「大尉はファを連れて下がってください!ハマーンとシロッコは僕がやります!」
ファンネルを展開するキュベレイにビームサーベルにビームライフルを当てビームを拡散させることで撃ち落とすZ!
カミーユ「ならばビームコンフューズ!」
カミーユ「あなただってやることがあるはずです!」
3機が脱出した刹那打ち出されるレーザーの渦!ティターンズ艦隊が消滅する!
シロッコ「これではエゥーゴには勝てん…。」
カミーユ「シロッコ!目の前の現実も見えない男が!」
シロッコ「賢しいだけの子供が何を言う!」
カミーユ「賢しくて悪いか!」
シロッコとカミーユ!最後の戦いが始まる!
一方百式はキュベレイと…。
シャア「何?エネルギー切れ?」
ハマーン「そこまでだな!」
ファンネルを放出するキュベレイ!
交わしながら、沈船の中に飛び込む百式!追うキュベレイを背後から抑え込む!
シャア「これでビットは使えまい!ハマーン!」
ハマーン「甘いな!シャア!」
残った手足をもがれる百式!
シャア「何!」
ハマーン「これで終わりにするか、続けるか?シャア!」
シャア「そんな決定権がお前にあるのか!」一瞬火の入った機械を見るシャア。
ハマーン「返事のしようではここで命を…」
百式のバルカンが天井の機械にあたり爆砕するサラミス!百式とともに消えるクワトロ大尉…。
カミーユの怒りが頂点に達した時、皆の想いを背負いZはジ・オに突撃する
カミーユ「俺の身体をみんなに貸すぞ!」
シロッコ「ジ・オ!なぜ動かん!」
コクピットを押しつぶされて爆砕するジ・オはジュピトリスを巻き込み大爆発を起こす…。
カミーユはファの声で意識を戻す…。二人の安堵する声が宇宙に響く…。
0088グリプス戦役と呼ばれた戦いはここに終結する。大きな犠牲を払い、連邦は維持される。アクシズと言う驚異はまた別の話だ。だがこの戦乱で最も傷をおい、深く絶望した男の存在は不明となる。その絶望は数年後、天から降るものに成り代わり、地球圏にさらなる混乱を起こす…。
次回、絶望の宇宙に赤き彗星は復活する、連邦の白き悪魔と呼ばれし一角獣のエンブレムを持つあの男と決着をつけるために…。
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」
乞うご期待!