アタフ

暗黒女子のアタフのレビュー・感想・評価

暗黒女子(2017年製作の映画)
3.9
「あなたの予想をすべてぶち壊す、驚愕のラスト24分!学園一の美少女を殺したのは誰?」

という宣伝文句…煽りすぎなんだよな本当にさぁ…

私はこの宣伝文句も予告編も予備知識も何も無しで鑑賞したんで、思いのほか楽しめたのですが、もし見ていたとしたら、期待しちゃって結果期待以下でガッカリしていたでしょう。

「秋の夜長に何か映画でも見ようかと、ネットフリックスを眺めていたら、気になったので鑑賞してみた」
これぐらいのスタンス挑むのがベストではないですかね。私がそうでしたし。それぐらいの作品です。

とは言ったものの、最初から最後まで集中力を切らさずに楽しめたというのも事実で、このお嬢様学校というファンタジーの世界をすんなり受け入れることができるかがこの映画を楽しめるかどうかのポイントだと思います。

あいさつで「ごきげんよう~」って挨拶する女子高って存在すんのかよ!?って思って調べたら、ホントに存在するるんですね。いい世界だ!!ごきげんよう!!

死んだお嬢様学校の憧れ白石いつみ(飯豊まりえ)の死の真相を、文学サークルのメンバーが順番に物語を朗読するという形で告発するというもの。それぞれのメンバーの朗読の内容が、ことごとく矛盾している『羅生門』スタイルの映画で、白石いつみを殺したのは誰なのか?誰が嘘をついているのか?という興味を最後まで切らさず持つことができるのは良かったと思います。

オチのインパクト自体はほどほどではありますが、死んだ白石いつみを演じる飯豊まりえと、彼女の親友である澄川小百合を演じる清水富美加の演技力が、この映画をワンランク上に押し上げていると思いました。

特に、清水富美加の存在感は素晴らしいですね。
物語のメインは死んだ白石と文学サークルのメンバーであるにも関わらず、彼女の存在は最初から最後まで不気味で常に心から離れない。お嬢様のように上品でありながら、恐ろしい裏の顔を持つ美少女という役目を十二分に演じていたと思います。以前に宗教関連でワイドショーでよく取り上げられていましたが、こんなに良い女優だとは知りませんでした!

女子高生という世界で一番価値のある時を過ごす彼女達だからこその、自惚れ、嫉妬、残酷さ、にゾクゾクさせられる。自分に価値があることをよく分かっている女子高生ほど怖いものはない。





最後にさ、闇鍋の中身が明かされるんだけどさ、最初に「闇鍋か~~~、〇〇とか入ってんじゃないの~~~w」と半笑いで見ていたら本当に入っていたでござる。その展開大好きです。
アタフ

アタフ