カルダモン

ローガン・ラッキーのカルダモンのレビュー・感想・評価

ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)
3.6
最近の映画とは思えないほど絶妙な古さを感じる肌触り。音楽の使われ方、軽妙なノリはソダーバーグのヒット作『オーシャンズ』を彷彿させるものの、本作は田舎の鈍臭さ全開。どいつもこいつもイイ感じにダサく、知能指数が低めの行動言動にジワっとくる。
特にジョー(ダニエル・クレイグ)の兄弟であるサムとフィッシュの地雷感。あんなアホな奴らを盗みの計画に参加させる方がどうかしてるが、彼らなりに頑張っている姿になぜかグッと来てしまい、不思議と温かい気持ちにさせられた。

ストーリー運びやロジックは結構複雑かつ説明不足なので、注意深く見ていないと何をしたかったのかが分かりにくい。この手の映画では複雑さよりもスッキリ明快である方が文法的に合っているような気がした。
結果的に凝ってるところは凝ってるし、ザルなところはとことんザル。クライド(アダム・ドライバー)も義手の設定が良かったが、イマイチ彼のモチベーションがどこにあるのかよくわからず、なんだか薄っぺらいのが残念。

とはいえ「欲はかかない」というジミー(チャニング・テイタム)の計画メモの通りに幕が落ちるラストは気分がいい。
一年経ったら内容を忘れていそうな映画だが、そこもまた良し。