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ローガン・ラッキーのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)
3.5
「ユルさ爆発なソダーバーグ復帰第1作」

「オーシャンズ11」のスティーブン・ソダーバーグ監督復帰第1作。復帰早いな。彼の作品は結構色々見てるが、今作はやっぱり代表作となった「オーシャンズ11」を思い起こさせる作りとなっている。

仕事を保険会社のせいで失ったバツイチ子持ちの主人公、ジミー・ローガンが戦場で片腕を失った弟と美容師の妹を巻き込んで一発逆転の強奪計画を企てるトコから話は始まる。金庫破りの助っ人として収益中のジョー・バングを半日脱獄もさせるという危なっかしい計画。途中グダグダになったりもするユルさがソダーバーグらしい。

しかしラストまで見ると意外と深い展開だったコトが分かる。関係者に対しあるサプライズを施すんだがこのやり方がまたカッコイイ。ちょっと不穏にさせるローガン家の呪いに帰結しそうな皮肉も聞いたラストも憎い。

不満はやっぱり計画自体のご都合主義的なトコかなあ。ちょっと協力者多過ぎて余りにも上手く行き過ぎだし。あと振り返って見れば元嫁とかの設定もこの映画には余り必要なかったんじゃないかと思える。それよりも計画に乗ったメンバーの掛け合いをもっと見たかったよ。

でも私的にはオーシャンズシリーズよりも楽しかった。出てくるヤツらが正反対のアメリカの貧困者なのも親近感がわいたからかなあ。今思えばあのシリーズのメインキャラってどっか鼻に付く感じあったよな、と最後オーシャンズシリーズをdisって感想に幕を閉じる。

—————ここからネタバレ—————






















せっかく奪った金の大半を返す行動は作中では詳しく説明してないが、感想サイトを見て回り、ローガン家の家訓「欲張り過ぎない」に則り、金を返すことによって告訴を取下げてもらい、FBIの捜査を打ち切りにする目的だったと解説しててなるほどなあと感心した。レース場の支配人も保険適用でwin-win、損したのは自分を首切りにした保険会社だけ、という復讐も兼ねているというのも良かったな。