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君の膵臓をたべたいのkojikojiのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
4.0
2017年 日本 監督:月川翔 原作:佐野よる
キャスト:浜辺美波、北村匠海

 多分こんなことになると思っていた。
 この手に弱いことはわかっていた。だから、ずっと言っていた。人を死なせて泣かせる映画はずるいと。

「僕」(北村匠海)は病院で偶然「共病文庫」というタイトルの本を拾う。その本はクラスメイトである山内桜良(浜辺美波)がつづっていた秘密の日記帳で、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが書かれていた。その日から、桜良が僕に急接近してきた。

 先日、ホラーを解禁した。
 それなら、一番弱いこの手の映画も解禁しようと、気になっていたこの作品を観ることにした。
 
 観て良かった。
 桜良が一生懸命に生きた短い人生を、観てあげることが彼女に対する最大の供養だと思った。観てあげないと罰が当たるよ。誰かが言ってる。
 やっぱり、ミーハーだな。ずっと泣いていた。桜良が愛おしくて。

 「僕」が「泣いていいですか?」と桜良の母に言うシーン、劇場で観ていたら大変なことになっていた。よかった家で。しかも一人だし。

 浜辺美波の死ぬという現実に立ち向かうために、元気に振る舞おうとする演技が、最初わざとらしく見えて違和感があったが、しばらく観ていると逆にそれが、こういう状況になるとそうなるかもしれないと思うようになり、その元気さに泣けた。
 亡くなった人を思い出すように、ほとんど「僕」のような気分で、桜良はしばらく脳裏から離れないだろう。

 北村匠海はこの先、「明け方の若者たち」につながるんだなあ。味がある俳優だ。

 二人のこれからの作品が楽しみだ。

#2022-215
死ぬまでに観たい映画マイベスト1000-78
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