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君の膵臓をたべたいのマーチのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
4.5
お久しぶりです(*´꒳`*)
最近諸々忙しくなってきたので低浮上気味ですが、たまに皆さんのレビューを拝読させていただいてます♪
あと1〜2週間は低浮上気味だとは思いますが、どうぞお許し下さい( ͡° ͜ʖ ͡°)👍


今回は前置きも含め割と長くなりました。
それだけ私の中では“大切な作品”です。

試写会が奇跡的に1ヶ月内に2回当たるという幸運がありましたので、丁度1週間前の木曜日に今作を鑑賞してきました!
(前回のメアリが約1年ぶりの試写会当選でした。)

公開日前日に投稿する意味とハイスコアである理由、今作の魅力が私の拙い文章で伝われば幸いです。


🌸【レビュー】🌻
《生きること、1日の価値》

正直ここまで集中して観入ることのできる作品だとは思っていませんでした…

1番近場の劇場がTOHOシネマズなので劇場鑑賞は普段そこでするのですが、観に行く度にこの映画の宣伝が鬱陶しいほど繰り返し流れていたので過剰だな〜と思っていたのですが、納得しました!
東宝の1社提供だったのですね…意外です。ヘタしたら『シン・ゴジラ』以来の東宝1社提供じゃないですか?!そんなことないか…

過剰な宣伝も理解できたところで申し上げておきますが、はっきり言って宣伝の仕方には問題があります。(勿論、今にはじまったことではないのですが…)
まず、予告で重要なところ使い過ぎっ! もっと薄っすらとしておいて欲しかったです。
そして感動の押し売りし過ぎ!! タイトルがタイトルなので勘違いされないために
「ラスト、きっとこのタイトルに涙する。」
というキャッチコピーにしたのでしょうけど幾ら何でもやり過ぎです! もう少しオブラートに包んでおいても良かったのではないかと思います。感情は人それぞれなので決まった感情へ向けての終焉は好かんのです!!
まあ、そのキャッチコピーも納得のラストだったので特に不快ではありませんでしたが…(←おいw)

まあ、この辺までは一切本編とは関係ありません
(о´∀`о)☆彡

文句はこれぐらいにして、そろそろ本編の内容に移りますが、東宝の宣伝のウザさから、試写会が当たらなければスルーしようとまで思っていた今作ですが、観終わった後の率直な感想は
【もう一度劇場で観たいな…】です。


もちろん完璧な作品という訳ではありませんし、人によってはこういう世界観が嫌いだから低評価というのも止むを得ないと思います!

私自身「ラストの詰めが少し甘いな…」とか「上地くんと北川さんの関係性さすがに出来過ぎじゃない?必要??」とか「そもそも12年後パート無くてもいいんじゃない?…後付け感が凄い」とか感じますが、過去パートが強烈に良いのでそんな雑念は捨て去って置きます…
そして私はその“若干”の拙さも含めてこの作品が好きなのです!
大好きなのです!!

過去パートの良さというのは、原作が素晴らしいためストーリーに安定感があるということと、主役を務めた「浜辺美波さん」と「北村匠海さん」が織り成すナチュラルな演技の秀逸さです。
実は主役の2人に関しては割と昔から知っていて、自分の感性と合致する演技をしてくれる2人なので今回も安心して観ていられました。

TBS版『浪花少年探偵団』で心を掴まれた浜辺さんにはあの花の実写化で演じていためんまでガン泣きさせられ、若手注目株として勝手に贔屓している女優さんです。

北村匠海さんに関してはハッキリと覚えていませんが、おそらくドラマ『鈴木先生』で見掛けてからその後何度も自分が観ていたドラマに出てくるので先述の通り次第に感性が演技と合致していることに気付き、注目するようになったのだと思います。最近は歌手活動等もしているようですが、私は断然“俳優”北村匠海のファンです。

北川景子さんはさすがですね。繊細な表情の演技で作品に華を添えると共に、圧倒的に上手い泣き演技後の“照れ”が作品に柔らかさを齎していました。

小栗の旬さんは言わずもがな大好きな俳優さんのうちの1人なので、『銀魂』に続いて今作で1週間のうちに2度も劇場で拝めて大変嬉しく思います。

その他、魅力的なキャラクターが何人か出てきますが、キリがないので詳細は端折らせていただきます。(ガム君の作中におけるナイスポジション、青年期恭子の教室にいそうな気の強い女子の感じには特に注目していただきたい!脇役のキャラ立ちの良さが今作の魅力でもあります。)


正直セカチューと比べて欲しくないというか、私は断然こちらの方が好きでした…それだけです。

主演2人の演技は瑞々しさと共に恐怖すら感じるリアリズムを含んでおり、特に桜良役の浜辺さんは秀でていて、死ぬことが前提であっても天真爛漫に振る舞う桜良のぶりっ子まではいかない人当たりの良さと、過剰に見えて実は的を得ている元気漲る彼女を象徴する仕草の数々、それに「死」が前提にあるからこそ、ふと言葉にした重みのあるセリフに説得力が感じられて、誰もが感涙にむせぶであろうラストへと繋がっています。

彼女の生き方や、敢えて【僕】を選んだ理由、【君の膵臓をたべたい】というタイトルの本当の意味に感化されることは必至ですし、人生観はたまた死生観までもを正された様な気になりました。

印象的で脳裏にこびりついて離れないセリフの多さにも魅了されます!
例えば「桜は散ったふりして咲き続けているんだって」とか「運命なんかじゃない、私達が選択に選択を重ねて今がある」等が桜良の人生や桜良と【僕】の恋人とも友達ともとれない絶妙な関係性・立ち位置とリンクして、観ている側の心に響くセリフとなっていました。

桜良ちゃんが何気無い日常に対する当たり前の意識が実はそうではないということを教えてくれる素晴らしいセリフを発する場面があるのですが、それは全ての人に響く言葉だと思います。
生き急いでいたり、堕落していたり、怠惰で嫌気のさす日々を過ごしている人には特に深く突き刺さることでしょう。

病気で余命を宣告されている人、いつものように学校や職場へ向かっている人、スーパーへ買い物に走る人、バスや電車に揺られている人、車を運転している人、映画を観に劇場へ向かっている人…様々な人がいるけれど、結局【みんな1日の価値は同じ】で、事故や事件にいつ巻き込まれて「死」というものに出会ってしまうのかは分からない。
一見当たり前のように思えることだけど、きっと誰もが何処か忘れていて、初めて気付かされることでもあると思う。その刹那が最高に愛おしい。

【誰もが1日の価値は同じ】
そこには余命宣告をされているからだとか、元気でピンピンしているから明日も生きられるだとか、そんなことは関係無い。

ラストは人によって様々な解釈ができるし、私がここで提言する様なことでは無いと思うので、是非とも劇場へ足を運んで皆さんなりの解釈を教えて欲しいのですが、強いて言うなら【これ以上無い最高の告白】だと私は思いました。これ以上は伏せておきます。

そしてそのラストに“あのセリフ”を持ってきたことで効果的に迎えるエンディング、全てを物語るミスチルの主題歌『himawari』が流れ始めます。

余韻で席が立てないとかよく聞きますが、私にとってはこの作品がそれだったように思います。切なさと、ほんのり包み込まれるような暖かさに、「泣いた」とかそんな上っ面なことだけでなく、心底感動しました。メッセージ性の強さと桜良自身が生きた人生の奢りの無さが心に染み渡って、これ以上無いほど癒され、悲しみました。非常にデトックス効果のある映画ですね。笑

この作品を恋愛モノとして位置付けるのは軽率だと思います。恋愛的な側面も確かにありますが、桜良と【僕】の関係性はそんなもんじゃなくて、あくまで【仲良し】! 【僕】が一線を越えそうになるシーンがあるのですが、そこに関してはいつそうなってもおかしく無い状況がずっと続いていたのでリアルさを感じましたし、心が痛むところでもありました。
恋愛よりも生きることや死ぬことに比重が置かれていて、それだとテーマ的に重いのかなと思うでしょうが、優しく眩しい陽光に終始包まれているかの様な画作りと、青春特有の瑞々しさや感覚が丁寧に投影されていることで悲観的な側面に落とし込んでいないというか、「これは悲劇なんかじゃない!前を向いて生きていくための根源に触れた、希望と光に満ち溢れた作品だ!!」と感じました。
まあ最終的な結論としては【極上の生と人間関係に振り切った作品】だと思います。

明日から公開なので是非ともたくさんの方に観て欲しい作品ですし、主人公・山内桜良を演じる浜辺美波さんの【声】に圧倒されてください!本当に魅力的で、包み込まれる様な優しい彼女の【声】は誰もが恋してしまう愛しさと素晴らしさに満ちています。あと笑顔1つ取っても憂いを含んだもの、恐怖感を漂わせるもの、喜びに満ちたもの等々数種類の感情を薄っすら伝達しつつ演じ分けている繊細さには度肝を抜かれました。

月川翔監督のことは存じ上げなかったのですが、手掛けた作品はいくつか知っていました。今作は飛び抜けて凄いのでは無いかな〜と思ったりもしますが、それも納得の月川監督の丁寧で細部まで拘ったであろう演出が、新しい驚きと視野を広げて生きることの大切を教えてくれました。

まだまだ言いたいことがありますが、明日公開なのでこの辺で失礼します!

総じて恋愛映画というよりは、わたしの大好きなタイプの青春と生と死に向き合った大傑作映画でした!(ちょっと鬱っぽい要素が若干あるのも完全に私好みです。笑)

没入感が全然違うと思うので、是非とも劇場で“大切な方”とこの作品を観て下さい!!
勿論、1人で観に行っても大丈夫な、心が洗われる良作でした!!!!

今年劇場で観た邦画では、現時点1番好きかも…想うこと、想い合うことで生じる暖かさ、今のこの瞬間こそが愛しく儚いのだということを感じて欲しいです。


【p.s.】
私のベストムービーは二重審査システムなので、好きな作品や感銘を受けた作品や高い評価を下した作品は、2回目の鑑賞で1回目の感動と同等のものを感じるか、それ以上のものを感じた時に満点スコアやベストムービーに選出しています。

明日今作の2回目を観に行く予定ですが、その後の評価次第でスコアが満点になるかもしれませんし、多少下がるかもしれないので、1回観た現時点でのスコアが4.7となっています。御了承下さい。


【映画情報】
上映時間:115分
2017年 日本/原作 住野よる『君の膵臓をたべたい』/監督 月川翔/脚本 吉田智子/キャスト 浜辺美波/北村匠海/大友花恋/矢本悠馬/桜田通/森下大地/上地雄輔/北川景子/小栗旬
/膵臓の病を患う高校生山内桜良と同級生【僕】の交流を、現在と過去の時間軸を交差させて描く。