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君の膵臓をたべたいのMSTYのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
4.0
原作未読の何の前情報もない状態で期待も不安もないまま観ましたが、想像してた以上に面白かったです。

伏線回収がしっかりされていて観ていてすっきりしましたし、最後のセリフの一言の余韻がよかったです。ミスチルの主題歌も素晴らしい。

この作品のテーマは「病気」というよりはむしろ、「生」と「時間」かなと思いました。生きている以上、死というタイムリミットは誰にでも訪れますし、それがいつ来るのかは誰にもわかりません。たとえば余命宣告という形でリミットが設けられたとしても、そのリミットのタイミングに必ず死が訪れるとは限りません。

そこから得られる教訓は、「丁寧に生きろ」ということではなく(「丁寧に生きる」みたいな言い方ってわたしはあんまり好きではないです)、むしろ雑な生き方でも不器用な生き方でもいい、一瞬でもいいから「生きててよかった」と思えることなのだろうと、少なくともわたしは観ていてそう感じました。

あと、少しどうでもいい感想になりますが、わたしはどちらかと言えば根暗な方なので、クラスの地味なタイプという位置づけになっている主人公の目線がすんなりと受容できました。主人公にヒロインがかなりグイグイくるので最初は正直結構なウザキャラだなぁと思ってたのですが、物語が進むにつれてだんだん愛おしくなってきてしまい、自分のちょろさを痛感しました。

映画を観た後に原作を読みましたが、原作とは構成が違っているのですね。映画は映画でよかったです。原作からカットされてる箇所があるので、そこを期待している人にとっては物足りなさを感じるかもしれません。あと演技もよかった。ヒロインのキャラクターを受容できるかどうかで好みが分かれるかも。
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