享楽

君の膵臓をたべたいの享楽のレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
3.0
作品鑑賞中は淡い高校生の恋愛物作品として羨ましく観ていたが、割とセカイ系的価値観として閉塞性の強い印象が今となっては強めに残っている、難病系恋愛物語の副作用的なところなのか。見方によっては意地悪なメッセージを含んでいるところもあって、つまりは青春時代まともに恋愛しないと他の人のうわさだけして自分は何の当事者にもならずに傍観者として終わってしまうよという隠された含意は、主人公である僕と君以外のドラマの淡白或いは浅薄さから窺える。正直題名にもあまりセンスが感じられない。映画の表象が美し過ぎて、膵臓そのものにしても膵臓を食べるというカニバリズムにもその行為によってたましいが食事者の中で生き続けるというものにも特に美的なものや良さを感じない。終始性格の変わらない主人公の僕が君に対して素直になれずに彼女をグラデーション指揮に失っていく哀しい物語だ。
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