singer

君の膵臓をたべたいのsingerのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
4.7
この映画には、少し特別な物を感じてしまってます。
物凄く個人的な理由が多いんですけど。

ここ数年、育児に忙しく、ろくに映画なんて観ない日々を過ごしてたんですが、
今年になって、少し時間が出来るようになった事で、
また、久々に映画を観るようになりました。

で、たまたまこのインパクトあるタイトルに聞き覚えがあって、
何気なくレンタルして観たのが、最初に観たきっかけです。
観始めて最初のうちは、よくある難病物かなぁと思いながら、淡々と見てたんですが、
最初の旅行シーンの終わり頃から、少しずつ主人公の2人に感情が入って行って、
後半は、なんとかこの2人の恋のようで、友情のような関係に、
素敵な結末があるといいなぁと願いつつ、いつの間にか物語に引き込まれてました。
なので、後半の展開には、やっぱり納得が行かなかったし、
見終わって数日は、主人公2人が可哀想で仕方が無かったです。

でも、あまりにも心に残るものが大きかったんで、もう一度観たいと思ってました。
加えて、メイキングやコメンタリーにも興味があったし、
後はロケ地の彦根が、地元の近くだったり、福岡も馴染みの場所だったりしたんで、
Blu-rayを買って2回目を観ました。

やっぱり浜辺美波の桜良が見せる、健気さや、儚さ、強さや弱さ。
それが、ちょっとした仕草や表情、言葉に表れてた事に気づく。
普通なら、ちょっと恥ずかしくなるような台詞も、
この子の滑舌と声のトーンが心地良くて、スッと心に届いて来る。
とてもいい声。
それが、この作品の大きな魅力のひとつなんだなぁと、改めて実感しました。

自分にとってベストな映画ではない。
若くて、感性の鋭かった自分なら、一蹴してたかも知れない。
結末にしても、それでも納得は出来てないし、
小栗旬と北川景子の大人のパートも、取ってつけた感もあったけど、
今の自分が、このタイミングで観たからこそ得られた感動が大きくて、
自分にとっては大切な作品となりました。

偶然じゃなく、運命でもない、
自分の意志で選んで、この作品に出会えて、良かったなぁと思います。

2019年2月10日 追記

初めて鑑賞した昨年の1月より、Blu-rayや、
地上波のテレビ放送で、何度か見返してきましたが、
久々に1年ぶりにまた鑑賞しました。

やっぱり、自分にとっては大切な作品であることは変わらないなぁと再認識。
結末を知ってから見ると、やっぱり咲良の言葉のひとつひとつ、
そしてふと見せる表情が、心に強く残りますね。

で、今回は、ロケ地の話を追加で書きます。

自分は、父の仕事の都合で、
一時期、彦根の城下町に住んでた頃があったので、
作品に何度か登場する彦根城の堀の近くを、
父に自転車に乗せられて通ったことを思い出します。

彦根については、豊郷小学校や、滋賀大学なんかもロケに使われていたらしく、
他にも見たことある風景が、幾つかありました。
彦根に住んでたのは、幼少の頃だったのですが、
何となくでも覚えてるものなんだなぁと。

後は、大津PARCOですね。
ここは、「僕」がクライマックスで、ニュースをモニターで見るという、
物語上ではとても重要なシーンが撮影された場所でした。
ここは、県内で唯一、タワーレコードがあって、よく通ったし、
ユナイテッドシネマもあって、映画もよくここで観ましたね。
PARCO自体は、もう既に無くなって、今は新しい商業施設になりましたが、
自分にとっては、音楽と映画の拠点みたいな場所だったので、
思い入れのある施設でした。
この劇場には、公開当時、浜辺美波と北村匠海が舞台挨拶に来てたそうです。

他にも、「僕」が咲良の病気を知るきっかけとなった病院のロビーや、
初デートの待ち合わせ場所になった駅や、
見たことや行った事のある場所が沢山、本編に登場していたので、
そんな部分も含めて、やっぱり自分にとっては深い関わりのある作品だと、改めて実感しました。

いつか、彦根の城下町は、子供達を連れて歩きたいと思ってます。
早ければ、次の桜が咲く頃にでも。
singer

singer