アキラナウェイ

君の膵臓をたべたいのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
3.6
ちげーよ!別に観たくて観てんじゃねーよ!

何故でしょう。
いい大人になると、制服姿の高校生男女がキラキラ眩しい青春映画を観るとなると、自分の中で何かしらのexcuse(言い訳)を探している。

普段この手のジャンルは観ないんですけど、人の勧めでDVDが手元に回ってきたので観ました。
(ほら、excuse)

他人に興味を持てず、クラスで一番目立たない春樹(北村匠海/小栗旬)と人を愛し人に愛される、クラスで一番目立つ桜良(浜辺美波)。偶然彼女の重大な秘密を知ってしまった事により、春樹の日常は大きな変革を迎える。

いやー、浜辺美波演じる桜良が可愛い。あんなの高校生男子の9割は恋に落ちるよ。

ちげーよ!別にキュンキュンなんてしてねーよ!
(はい、excuse)

北村匠海演じる春樹は朴訥として不器用で、そこらのイケメン俳優をキャスティングするより好感が持てた。

そして、これだけは言いたい!
春樹の唯一の友人となる「ガム君」を演じる矢本悠馬!ちはやふるでもそうだが、君は若手俳優陣の中で最も素晴らしいバイプレイヤーだ!

「ガム、食べる?」…最高だ!

物語は12年前と現代とを行きつ戻りつしながら、他人と関わらない春樹の生き方と、他人と積極的に関わる桜良の生き方を対比させ、「生きる」とは何かを観る者に教えてくれる。そう、これは高校生の男女がただ好きだの何だの言うだけのラブストーリーでは決してなかった。

常に1人で他者を寄せ付けず、自分と戦い続ける生き方。強烈な愛と笑顔が引力となり、周りを巻き込んでいく生き方。2人は互いの生き方の違いに惹かれ合う。高校生らしからぬ、ちゃんと人間同士が向き合っている様子が伝わる脚本力。

君の膵臓をたべたい、そのタイトルに隠された意味は、終盤になればなる程重く重くなっていく。

観終わった後、心に静かな余韻を残す良作。

ちげーよ!別に泣いてなんかねーよ!
(最後までexcuse)