ぬーたん

君の膵臓をたべたいのぬーたんのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
2.7
高評価だけど私はダメだった。
多分、若い人には良い作品なんだろうけど、おばさんにはキツかった。
タイトルがインパクトあって一体どんなストーリーか気になるよね。
猟奇的なタイトルからは、真っ白なエプロンを付けたマッツ・ミケルセンの顔が浮かんだ。
(ハンニバルでもホプキンスでないのはファンなら分かってくれるネ)
何故、膵臓なのか?それは膵臓の病気だからだけど、何故膵臓か?
このタイトルを考えた時に、どの臓器がその機能や病名が一般的に知られてなく、実際にこの病気の人が少ないか、とか耳に心地よい音か、とかを丁寧に考えた結果だと思う。
だって、胃でも心臓でも大腸でも肺でも、何だか嫌な気持ちになってしまうもの。
実際に膵臓の病気で10代の子が余命宣告される病気はあるのかな?などと自称医療オタクは考えつつ観ていた。

高校時代と12年後の今を描いていて、高校時代の主人公を北村匠海、桜良を浜辺美波という若い役者が演じている。
決して上手くはないが、初々しさやキャラの持つ魅力を表現出来ていて、好演だった。
桜良の方はアイドルっぽい笑みと仕草で、ちょっと大げさな感じもしたが。
12年後の僕を小栗旬、桜良の親友・恭子を北川景子。
恭子が12年で美しくなり過ぎ。整形疑惑💦
この2人が出ると、ぱっと明るくなる。
映画には華が必要だから。
ガム君を演じた矢本悠馬は『花子とアン』でも同じような癒しキャラで出ていた。高校生に見えないと思ったら、27歳だわ。
12年後のガム君は上地雄輔。結婚相手は高校時代と関係ない人の方が良かった気が。
おどけた級友や賢い学級委員、意地悪な女子なども出て来て、その辺りは学園ものに欠かせない、王道の脇役だね。
桜良の自宅が立派で一人娘で美少女で、でも不治の病でという設定も漫画でよくあるパターン。

良かったところ。
桜良のセリフが心に響いた。
運命でも偶然でもなく、自らが選択して来た結果だと。
どちらの、どの道を行くか?常に選択をして来た人生の岐路。
その枝分かれした道で選んだその道の先に出会った人やことは、自分の選択があってこそ。自分で選んだんだ。
そんな当たり前のことに、はっとさせられた。
でも高校生は大した数の岐路に未だ立っていないだろうけど。
満開の桜の景色が美しかった。そして悲しかった。
図書室が良かった。ほっとする空間。

何がダメだったかって
病気の桜良が、異常に明るく、根暗な僕にグイグイ来る!
大阪のおばちゃん並みに来る!
新喜劇のスチ子と同じくらい来る!(しつこい)
『湯を沸かすほど熱い愛』と似てる部分がある。
余命僅かなヒロインが気丈に明るく振舞い、周囲におせっかいを焼く。
残り僅かな時間をどう使うかは、実際になってみないと分からないが、こんなに明るく出来たら凄いなあとも思うが、周囲を巻き込むのはどうなのかな?死ぬまでにやりたいリストも最近よく見るなあ。
もうひとつ似ているのは、最後でドッカーンと思いがけない展開を持って来ること。
これをすんなり受け入れられるか否かは人それぞれだろうが、私は普通に終わって欲しかった。
最後は桜良の母の気持ちになっているから。
年齢的に結局そうなる。
その時に、この最期はあまりにも辛く、何処に気持ちをぶつけるのか、皆目分からない。
膵臓食べたい。なんてスイーツカフェで言ってる場合でなかった、僕ちゃん。
ぬーたん

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