膵臓の病気で死期を告げられているクラスで人気者の少女と内気でクラスに溶け込めない少年のラブストーリー。なんだか本多孝好の作品に出てきそうな二人。
主人公桜良は膵臓の疾患によって作中のどこかで亡くなる…それは鑑賞中、いつでも頭の片隅にあった。しかし、その一方で徐々に打ち解けて行く二人。一体どのシーンでそのレールが途切れてしまうんだろう…。そんなことを考えながら鑑賞していた。
そして物語の後半、誰もが予測していなかったあの事件が発生した。それにより、桜良の死期に対する不安はあまりにも突然、かつあっさりと消えていった。
鑑賞後、感動とやりきれない思いがあった。この映画で気付かされたのは「想定していた日常は、なんの前触れもなく、あっさりと無くなってしまうかもしれない」ということだ。これほど恐ろしいことがあるだろうか…。しかし、その可能性があるからこそ、人はその日その時間を大切に過ごしていかなければならないと思う。