次男

君の膵臓をたべたいの次男のレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
3.6
嫌味な意味ではなくて、すごく優等生な邦画だった!原作をリスペクトし、映像化にあたっての改変も誠実で、監督とか個人の趣味趣向を押し出すこともなく、観やすく、美しく、映画のリテラシーに関わらずみんな観られるような映像作りで。これが大人の仕事…!となんか感心してしまった。

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・せっかく同じ街での10年ほどの物語なのだから、街の温度感がもう少しあってもよかったのかなーとか思った。海とか山とかそんな大袈裟なものじゃなくても、ランドマーク的な拠り所とか作って、「実景だけで泣ける」を作ってくれていたら!あの印象的な桜の歩道橋?も、物語に組み込むのは難しかったのかなー。

・原作リスペクトだとは思いつつ、小説のときでも読んでてしんどかった「ラノベっぽい口調」、実写になるとさらにキツくて、ちょっと変えてほしかったかも。ただでさえ、臭いめのお芝居に臭いめのことを言う作風だから、せめて口調だけでも。



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ネタバレ
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・知人が、「これ浜辺美波が可愛いから成立してるんであって、ブスだったら腹立つだけだよねー」とか言ってて、不粋なこと言いなさんなと思いつつ、なんか納得するところもあって。
「病気の私の注文だから断れないでしょう?」な感じじゃなくて、「クラスの人気者の美女にこんなことされたら嬉しいでしょう?」に見えちゃった。これ、損だよなあ。スタートの、彼女が彼を巻き込んで行くスタンス、もう少し語らせてもよかったのかもしれない。

・ラストに繋がる「私はきみになりたい」も、冷めて言ってみるなら、描いてきたものにあまり掛かってなくて、「タイトル言わせるための詭弁みたい」って斜に構えてしまえるのも勿体無い。「本を拾う前から彼のことを目に留め、彼のようになりたかった証拠」をもっと作ってくれてもよかったのに!彼が彼女の「膵臓を食べたい」はしっかり意味ができていた!

・上地雄輔は、違うと思う。マジで。ただただノイズだった。せめて髭は剃ってほしかった。
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