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オアシス:スーパーソニックのzunzunのレビュー・感想・評価

4.0
冒頭のカインとアベルの例えから不穏。
ノエルが加入時、メンバーに言い放った有名なビックマウスは実は嘘と本人があっさり証言。お茶目な言い回しは面白かったが、少しがっかり。でもそれ以降に明かされるメンバーのクレージーぷっりは想像以上に酷い。oasisは常に時限爆弾を抱えてながら活動していた事が分かる。
リアムの危なっかしさとノエルの安定感抜群の楽曲。この2つの融合がoasisの最大の魅力だと思う。4枚目のアルバム以降は各メンバーも楽曲を提供してたけど、やはりノエルの楽曲が抜群。

物を投げ込まれ切れまくるリアムの姿はセックス・ピストルズをジョニー・ロッドンを連想する。「リアムはジョーニ・ロッドンとジョン・レノンの声を併せ持つ」なんて誰かが言ってた事を思い出した。
滅茶苦茶なメンバーとプロ意識の高いノエルとの対立。嫌気がさしたノエルが失踪し、その時に書き上げた曲のエピソードなどは非常に面白い。

その後、歌えないリアムの代わりに徐々に歌う機会が多くなるノエル。それが後々に内紛の火種となる。
本心ではノエルも少しは歌いたかったじゃないのと勘ぐってしまった。

ブリットポップを題材にしたドキュメンタリー作品『LIVE FOREVER』で明かされるエピソードとして、MTVアンプラグドに出演予定リアムが仮病。急遽ノエルが出演した出来事がある。その時、こそっり会場に来たリアムはカメラに向かって中指をおっ立てる。
『LIVE FOREVER』の中で、ショボくれながらコメントするブラーのデーモン・アルバーンに比べ、ロックスター然とした存在感を放つリアム。その対比が印象的だった。

ノエルがソロになってから来日し、出演したMステの事をブログでボロクソに書いてたけど、それでもちゃんと対応し歌うノエル。リアムだったらすっぽかしていたのだろうか…

作品のスタッフ陣は『AMY』と同じらしい。『AMY』ではエイミー・ワインハウスのプライベート映像などの素材が豊富でふんだんに使われていた。『オアシス:スーパーソニック』は映像素材が不足しいるので、事柄と関係ない写真の使用や編集、そう言ったフェイク要素で上手いこと誤魔化し補っている。

作品全体としてテンポが良く、次から次へと話題が移る。もう少し掘り下げて欲しい部分もあったが、oasisを様々な側面から考察でき、そして仲よく戯れるギャラガー兄弟が観れただけでも大満足な作品。

oasis再結成はあり得ないとノエルは言ってるけど、グアルディオラがマンCの監督となりノエルと対談するなんて、当時では誰も想像つかないことも起こる。再結成もありえるかも……ないか?
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