海猫

怒りの荒野の海猫のレビュー・感想・評価

怒りの荒野(1967年製作の映画)
3.4
リー・ヴァン・クリーフ、ジュリアーノ・ジェンマ、二大スター共演のマカロニ・ウェスタン。ジュリアーノ・ジェンマは娼婦の子だったために軽んじられ掃除人をやっている。ある日、町にやってきた凄腕のガンマンのリー・ヴァン・クリーフに銃の手ほどきを受け、ジュリアーノ・ジェンマもいっぱしのガンマンに成長していく。展開が雑に感じられる部分もあったが(冴えない掃除人だったジェンマが急に腕の立つガンマンになる、撃たれて安静が必要なジェンマがすぐ治る等)、おおむね面白い。まずはリー・ヴァン・クリーフの存在感が素晴らしく、画面に緊張感漂う。狡猾な悪人ではあるが、善人性もあるキャラクターはドラマにも説得力を持たせている。リー・ヴァン・クリーフが口にするガンマン十戒が面白いディテールで、これが終盤のジェンマの活躍に効いてくるのが、熱い。湿っぽいストーリーがいかにもだし、主人公たちが町を暴力で支配してしまう展開は、マカロニ・ウェスタンらしい。全編に細かく見せ場が散りばめられて、退屈しない。
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