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満月の夜のpikaのレビュー・感想・評価

満月の夜(1984年製作の映画)
3.5
あーーー!もう!!馬鹿野郎!
愛し愛される関係にルールなんてない!とは言いつつ人間同士の関係なのだから互いの感情だけじゃ共存できないわけで、互いの願いを叶えるならば譲歩しよう、っつーか一方的だしルール違反な感じもあるけど、譲歩って言えば譲歩な見方もできる絶妙な「週一の自由」という約束!
そんなもん誰もが大なり小なり頭をかすめちゃうような願望だけど、それをしたらどうなるかわかるし、そんなこと考えすらしちゃいけないってのが信頼だろ!バカめ!と、自由に純粋な主人公ルイーズにイライライライラ、しながらも華麗なるシャレオツクールなセットや衣装に惹かれ、純粋に自身の道を貫くルイーズの姿に何だか憎めない気持ちになりながら、ほれ見ろ!こうなることは当たり前だろ!的な展開に至ってはむしろ愛らしい気持ちすら湧いてしまう、これぞロメールマジック!

なんなのか毎度全然わかんないっすけど、画面に釘付けにされいつの間にやら終わっていたくらい夢中になっちゃう会話劇。
随所に挟まれる哲学的で詩的な台詞が粋過ぎて惚れる。
ルイーズはまだしもオクターヴ、妻子がいるのにこいつクソだろ!ってムカムカしながらも、でもこいつも憎めない、なんならちょっと友達になってたまに飲みたい、そんな気持ちになっちゃうロメールマジック、なんなのこれ!
面白いんです!そんな傑作。アッパレ!
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