倉持リネン

笑う故郷の倉持リネンのレビュー・感想・評価

笑う故郷(2016年製作の映画)
3.6
「彼らの言語には”自由”という単語がない、なぜなら全員が自由だからだ。」

U-NEXTにオススメされて鑑賞。
700マークしかないのにフォローしてる皆さんが結構見てて流石です。。

ノーベル賞を取った作家が30年振りに故郷の田舎村を訪れる話。

コメディ映画とあるけど、派手なカメラワークも無ければBGMすらついてないし内容も結構深い。

主人公も初老の男性で、正直最初は地味だなぁと思った。


しかし、故郷サラスに戻って暫くすると何故彼がこの町に帰らなかったのかだんだん分かってくる。

自分はそこまで田舎に住んだことは無いが、田舎特有の距離が近い感じ、文化や芸術に疎く忖度だらけな感じ、古い価値観が残っちゃってる感じ。。

ノーベル文学賞作家の視点を通して彼らを見ると、なんだか酷く知性のない集団に見える。


が、そんな彼らに時折ハッとさせられたり、そんな体験が創作に生きたりもする。

そう考えるとラストは皮肉だった……


居心地の良さも悪さも、田舎あるあるって感じの面白さはありその点ではコメディだったのかも。

主人公がずっと落ち着いてて、キレたりしないのが良かった。やっぱり賢い人はそう簡単に怒らない
倉持リネン

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