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笑う故郷のmiwanのレビュー・感想・評価

笑う故郷(2016年製作の映画)
4.0
ノーベル文学賞を受賞したヨーロッパ在住の作家が、生まれ故郷のアルゼンチンの田舎の名誉市民となり数十年振りに帰郷するお話。
ゆっくりでブラックでシニカルな展開は大好き。

作家の言うことや考えはいちいち正論でスジが通っている。でも、矛盾が生じたり気持ちが揺れ動いてしまうのは、本当に「あるある」な事で、生きているなら必然なことだ。
そして、そういう人に対して矛盾をつついて攻撃したり、自分の正論でねじ伏せようとするのも「人間あるある」だ。

小さく閉鎖的なコミュニティから抜け出したとしても、そこもまたコミュニティに過ぎない。そこを抜け出してもまた、、、なのだ。
人間の根本はコミュニティであり、抜け出しても抜け出せなくても、抜け出すという考え自体が無くても、常に縛られて生きているのだ。
それをきちんとわかっていて、転んでもタダで起き上がらない機転を持っている人が、いわゆる成功者なのかな、、って思った。
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