sonozy

笑う故郷のsonozyのレビュー・感想・評価

笑う故郷(2016年製作の映画)
3.8
2016年、アルゼンチン/スペイン映画
英題: The Distinguished Citizen(名誉市民)
ゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞)外国映画賞、
主役のオスカル・マルティネスがヴェネチア国際映画祭・主演男優賞など。
監督は、ガストン・ドゥプラットとマリアノ・コーンというテレビ出身のコンビ。

アルゼンチン出身のノーベル文学賞作家ダニエルは、大成功をおさめ、秘書付きの豪邸暮らし。
講演会や取材のオファーはほとんど断っているが、執筆が多忙というわけでもなく、ここ5年は、新作が書けていない。

ある日、彼の故郷の小さな田舎町サラスからの招待が届き、40年ぶりに1人で行くことにするダニエル。

国際的文化人ダニエルの帰郷に盛り上がるサラスの町長や町民、幼なじみ。

「名誉市民」の授与、複数回の講演会、町の絵画コンクールの審査員など、決められたスケジュールをこなすダニエルだが、講演会での質問や、テレビ番組の出演などで、次第に状況が怪しくなっていく。

実は、ダニエルが書く小説は、すべてサラスの町での思い出や人物をネタにしており、故郷を屈辱して成功した奴として、町民たちには反感が渦巻いていたのだ。。。

という事で、このビジュアルは歓迎ムードでみなさん笑ってますが、この後、徐々に笑いは消えます。

そして、旧友アントニオとの再会。
彼はダニエルの元カノ・イレーネと結婚した事を自慢する。
アントニオとイレーネには奔放な娘フリア(魅力的!)と、狩猟ツアーで生計を立てているアホまる出しの彼がおり・・

傲慢、偽善、嫉妬、恨み、挑発...人間の嫌な面がじわじわと増幅する映画です。

主人公にとっても見る我々にとっても「笑うに笑えない故郷」というお話でした。
sonozy

sonozy