エドワード・ヤン作品は『ヤンヤン〜』に続いて二作品目。傑作と名高い本作も約4時間ということで尻込みしまくってたけど、観れるんだよなこれが。ただ全くしんどくないと言ったら嘘になるし、家で観たから適宜休憩を入れながら観たけど。でももっと削れただろうとは思わなかったし、必要な尺だったんだろうと思う。
5.0を付けてもいいかもしれないと一瞬思いつつも、いやいや背伸びをするなと自戒。今の自分ではここまでしか受け取れなかったというのが正直なところ。台湾史やアジア史、当時の世界情勢の知識も乏しく、描かれていたこと全てを理解出来たとは到底言えない。そういう意味では『ヤンヤン〜』の方が易しい作りだったように思う。自分の舌ではここまでしか味わえなかった。そんな印象。
ただ分からないなりにも大枠は掴めているような気がするし、細かなニュアンスは分からずとも、純粋になんて素晴らしいショットなんだろうと感じ入るシーンがたくさんあった。後半父親が尋問か何か受けている施設のようなところで、二段ベットのようなものが並べられた誰もいない部屋で休憩中煙草をふかしているシーンに差し込むあの光…4時間の中でそんなふうに恍惚としてしまうショットがいくつもあった。
ひとつだけ確かなことは、自分のような人間が一度観たぐらいで分かった気になれるような作品ではないだろうということ。それが分かっただけでも十分だったような気もする。