梅田

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版の梅田のレビュー・感想・評価

4.5
再見・再投稿。
一度観ただけではついていけなかった人物の関係性や伏線がひとつの線になっていくカタルシスが得られた、けどそのこと自体はたぶんこの映画の持つ圧倒的な何かとは別物だと思う……要はこの映画に8時間を費やしても、まだ何もわからないということ。
神経質なほど整えられたコンポジションとライティングには執念じみたものすら覚える。記憶に残るのは多くの画面でみられる「左と右」の関係で、それは世界を二分する鏡のようでもありながら、決して対称にはならないもどかしさを印象づける。
バットで電球を砕くとき、実弾が人に向かうとき、懐中電灯が短刀に持ち変わるとき、いくつもの決定的な場面はどれもほとんど台詞が無くて、気づいたらいつの間にか、取り返しのつかないところに到達してしまっていた。


-----2017/04/22鑑賞時-----
ようやく諸々の都合が整い観に行ったのに、上映開始20秒の時点でコンタクトが外れて致命傷を負い、前半まったく集中して観ることができず……。
というわけで近日中にもう一度観に行ってきます。いやしかし、うーん、すごいなこれ。必ず再見します。
梅田

梅田