チィ

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のチィのレビュー・感想・評価

3.9
いまかよすいません、今更です〜〜。な、話題沸騰になってから半年遅れで重い腰あげて見てきました。
自分が見たのは188分版だと思ってたんだけど、どうやら236分版だったらしくて。もう3時間超えたら何時間でもええわって気持ちになるね…。

でも体感はもっともっと短かった!あまりに世界に浸りすぎて好きなカットとかあっても中盤だと記憶から飛んでしまったけども。『牯嶺街少年殺人事件』ってタイトルだけで実はネタバレを全く踏まずに生活してたから、ちょっとワルい奴らと爽やか青春イェイ〜〜な前半に物凄く動揺した(イメージ的にはヘヴンズストーリーみたいな重々4時間を覚悟してた)でも基本的には青春色が強かった?からこそ最後の展開に「は??」って呆気にとられて。恐らく本気出せば2時間の一般的な尺におさめられる作品ではあるんだけど、当時の環境、その時代の青春、彼らの生活を刷り込ませ観客を楽しませ気づいたらその場にいるような臨場感、そして当時の価値観を知らない間に植え込むのには大切な尺だったんだろうな、と。DVDで観てたら絶対逃げ出したけども。(笑)

小明の小悪魔さも、映画とプレスリー、アメリカナイズされたレトロ感、兄弟設定、徒党、エドワード・ヤン監督の実際生きた空間と夢が混ざり合っている空想空間に浸ることが何処かワクワクした。

PFFの『悲情城市』と2本立てで見たからもうほんと自分アホだな〜って感じだったんだけど、『非情城市』は外省人が来るまでの台湾人の話で、『牯嶺街少年殺人事件』は前者の外省人が来る中の1組の家族の話で。台湾という縁がなかった地を少し知り得た気がして面白かった。つらいけど、オススメはしないけど、時間を使って後悔なし!
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