牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版の作品情報・感想・評価・動画配信

  • Filmarks映画情報
  • 台湾映画
  • 牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版の映画情報・感想・評価・動画配信

「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版」に投稿された感想・評価

余韻がすごい。
本当に濃密で心に深く残り、かつ刺さってくる映画。
236分の傑作。
見逃してもよいシーンが一つもなかった。

正直内容はとても難しい。
この時代の台湾ならではの空気感と雰囲気、インターネットがない時代の中で通い合うコミュニティー。

少年少女のみに焦点が当てられて展開していくかと思いきや、それぞれの家族や先生などの大人の生き様まで見せてくれた。

中学生とは思えないほどの覚悟や度量を持ちながらも、いつ壊れるかがわからない脆弱性。
不条理な社会に従うか、自らの信念を貫き通そうとするか、で揺れ動く葛藤。
初めは後者であったが、社会に抗えずに前者を選んでしまいそうになる。

この時代ならではの人間模様やそれぞれの人の生き方がとてもリアルに映し出されていた。
こんなもやもやする波乱万丈な中学生活を送る少年少女たちはいるだろうか。

時代の転換期で、社会も大人も安定しておらず、何も信用できない中、もがいていく少年少女たちの強さと絆が壊れていく脆さ。
仲間が殺されたときの復讐。
裏切られたときの苛立ち。
相手が自分の思い通りにいかなかったときにとってしまった行動。
何を信じるかわからず、疑心暗鬼になっていく様。

好きでたまらなくて、自分がこれほど愛しているんだから、こうあって欲しいという想いが強いがために、相手に過剰な愛を求めてしまう。
自分の都合のよいように、自分を想ってることを前提で進んでしまう。

自分勝手で過剰な愛が、一方通行だと感じてしまったとき、少年は冷静になれず壊れてしまい、やってはいけないことをやってしまった。
そして時間はもう戻らない。
無秩序な世界、彼女の中の世界を変えて照らすことは並大抵のことではなかった。
独りよがりに人の闇を照らそうとしてはいけない。

この時代を普通に生きていくことの難しさ、大人になりきれてない少年少女の強さと弱さと脆さ、社会や大人の不安定さ、危うさ、裏切りや人が変わっていく様など、236分にこれでもか、というくらいに色んなものが詰められていた。

なんかもうこの時代の何日かを過ごしたかのような、この時代にタイムスリップしたかのような感覚。
鑑賞というよりも体感、体験に近い。
それだけリアルにひしひしと伝わってきて、感動どころかただただ茫然とエンドロールを眺めていた。

強い者が愛する人を守れる時代、愛することにこれだけの覚悟を持たないといけないのか、と。
しかもその覚悟を中学生が持っていたのか、と考えるとただただ驚きを隠せない。
ただ、守る覚悟はあっても、どんなその人をも受け入れる覚悟はまだ持ち合わせていなかった。
中学生っぽくなくて中学生っぽかった。

言葉数は多くはないが、それぞれの立場の生き様が詰まっていて、伝わってくる本作。
光と闇の使い分けも完璧。
戦車などが出てくる雰囲気から時代背景までも読み取ることができ、今と違う環境にリアリティーもあったため、入り込みやすかった。
演技も素晴らしすぎて言葉が出ない。

長い作品ではありますが、絶対観て損はない傑作。
思わずスコア5をつけました。
本当にどう表現するかが難しい。
とりあえず観て欲しい。

このレビューはネタバレを含みます

何回見ても見てないんだよ。そういうこと?
登場人物の顔と名前一致するのに3時間かかってしまった
一言で言えば何一つ刺さらなかった。
ただただ4時間が長かった。
睡魔に襲われ、集中力も皆無。
誰が誰の話をしているのか、登場人物の相関図を脳内で作成するのは難しかった。
でも正確には、自分なんかにはまだまだ理解できないような作品なのかもとも思う。
前知識0だったし、多分一面的に捉えられるような簡単な映画ではないんだろうな。
台湾の歴史を勉強してみたいな。
青春映画は過ぎ去った青春時代を懐かしむ年代になってより胸にくると言われるが、時代背景も環境も何もかも違うこの映画をみても懐かしみ、感傷に浸ることはできないかな。
でもこれだけ多くの人に支持される映画の良さがわからなかったのはなんか悲しいな
歳を取ったらリベンジしたいけど、4時間がネック。愛のむき出しなら最高のカタルシスでなんとか帳消しになったんだけどなー
えな

えなの感想・評価

3.4
後半に差し掛かったところでよくわからないことが多すぎて90分戻して観たので300分ほど観てしまった。わたしが欧米映画と邦画しか観てないので、怒ったり悲しんだりする独特の演技とセリフの言い方からなかなか感情がつかみきれなかった。ただとても息苦しくて救いをみつけるのがむずかしい。小明という女の子の青い美しさと、歌のうまい小さい男の子はとても素敵だった。お父さんが尋問をうけるところが怖くて虚しくさえおもった。いちばん衝撃だったのは最後に文字で出た最初の判決。主演のチャンチェンさんは大人になってきれいなピエール瀧みたいになってた。
「運が悪いひとが多すぎる。社会が悪い」というせりふが重い。台湾は台湾でいてほしい。
1999p

1999pの感想・評価

-
記録

4時間にも及ぶ映画は初めて
世界を描けた映画は後にも先にもこれだけ。アルメンドロスの「キャメラを持った男」がこの映画製作中に刊行され、影響を受けたエドワード・ヤンは暗闇から笑い声と共に跳ね返るバスケットボールのシーンを撮りあげた。おそらく闇の襲撃シーンの光と影もそう。1年以上リハーサルをしたという少年少女たちの演技はその世界の住人にしかみえない。すべてのシーンに映像の力と映画の魂が宿る。どこにもカチンコの音が聞こえない自然だが複雑な世界がここにある。公開時とリバイバル時に映画館で4回観た。レーザーディスクもブルーレイも買って観た。でもまだ観たい。もっと観たい。死ぬまでにあと何回観られるのか。
の

のの感想・評価

4.0
4時間自宅鑑賞はキツい感じだったので映画館でまた観たい...
舞台は、1960年代初頭の台北。男子中学生スーと少女ミンを巡る淡くしょっぱい(てか辛い)恋の顛末を見事なまでに叙事的に描いた。軽々しく青春ドラマだとはいい難い重さがある。10代というのはなんとも脆くそして危ない年齢であろうか。世間を知っているともいえずかといって常識を知らないともいえない。一歩間違えれば死んでしまう雛のような存在だ。スーとミンもまさしく孤独をおそれる雛に違いない。しかしそんな雛を箱で包んであげられるほど、当時の台湾社会は優しくない。不良抗争、家庭問題、虐め、社会の抗おうと思っても抗えない様々な「どうしようもなさ」に彼は追い詰められていく。そしてその負の蓄積が心の器から零れ落ちてしまった時、スーは暴走しはじめる。唯一自分の側に立ってくれる存在としてミンのことを「ミンを守れるのは自分だけだ」と喝破するも、そんな一方的な想いに戸惑うミン。男子より女子のほうが精神的な成熟が早いというがスー目線に立てばここでの描き方はかなり辛辣だ。表面にみえるほど心の距離は近くない。最後のよりどころでもあったミンですら自分を受け入れくれないと悟ったスーはついに社会性から出て行ってしまう。
tacchi0727

tacchi0727の感想・評価

5.0
 がつんときました。もう一回観てきちんと感想を書きたい。
>|