基本的なストーリーの構造は水戸黄門とさして変わらない定番なのだが、名優親子の演技が素晴らしい作品。
ストレートなストーリー展開を選んだのは大正解で、二人の名演に集中することができる。監督の作戦勝ちだろう。
キャラクターが魅力的なのも素晴らしく、特に敵ガンマンのジェントルマン・デイヴは彼のスピンオフを作ってほしいぐらいのカッコよさだ。
凄腕ガンマンなのに作品中一回も銃を抜かないってのも良い。普通なら凄腕を現すシーンとかエピソードを入れたくなるものだが、立ち振る舞いだけで表現したのは英断と言えるだろう。
そして最後の大暴れパートで大活躍するのがレ・マット・リボルバー。
ガンマニアの心をくすぐる名銃。拳銃弾8発に加え銃身下、シリンダーの中心から散弾を一発撃てる珍しいリボルバー。
惜しいのがせっかくの絵的にもおいしい散弾を使わなかったことか。あの憎たらしい奴を派手にぶっ飛ばしてほしかったなぁ。
あまり大きくヒットはしなかったが西部劇としてはかなりハイレベルの作品で、サザーランド親子の名演と魅力的なキャラが楽しめる良作。
