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羊の木のmamiのレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
3.0
2018年6月9日トロントで観て17回鑑賞:
カナダ人からテーマについての質問を受けた監督は、「今日は特別だから答えます。僕は、人間は変わらないと思っている。変わらない人間が、自分とは違う相手とどう接して行くか描きたかった」

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人間の繊細な描き方と謎を残したままの部分は、本当に監督らしい。
人間の闇を、ひたひたと、だんだん深く描きながら展開していくけれど、、、
ソフトランディングが、個人的には、不満です。
音楽や映像は、監督のこだわりを強く感じる。
脇で存在感が素晴らしいクリーニング屋さんの演技と台詞が一番心に残っている。なんでもない台詞回しも最高。

作品の核であり、吉田大八監督 素晴らしい!っていうシーンは、6人が一堂に会する祭りの場面。6人の人となりを映像だけで端的に描いていて、作品中、一番優れた場面だと思う。


公開前に4回観て、もう評価が固まったので更新。

残念ながら、私には合わない作品のようです。

心が震えるのがクリーニング屋さんだけで、監督が目指しているであろうことに、心情的について行けない

重いテーマの中で、友達という希望と人間の再生の示しかたが、余りにも普通なので、え?何で?そんなありきたりになるんだろう?と、その気持ちは最初から変わらない。

二組の恋が、ひとめぼれにしても、やっぱり、唐突。

役者は皆良いですが、主役が天才的とは、どうしても思えない。

絶賛してる方や、監督の作品の中で一番面白いと言われてる方も多いので、単に私には合わないのだと思う。

公開初日に観て、5回になったが、
北村さん演じる杉山が、宮腰との対比もあるが、特に人間的なんだと、嫌な奴なんだが、可愛げあるんだと、初めて感じた。
3回目から気になりだしたのが、後輩、田代。一番、普通の人間の興味を表す役で、月末との対比で、物語のスパイスになっていて、だんだん好きになった。多分、「美しい星」の男栗田に通じる愛すべき嫌らしさを持ってるから。たえこ叔母さんも好き。やっぱり、脇役の素晴しさに監督の凄さ、感じる。

皆さんのreview見て、私の不満点は、私だけじゃないんだなと分かったが
私がこの作品で、一番❓なのが『友達』。どうしても理解できない。

他人との関わり方を考えることと、いきなり、殺人犯との友情が、あの状況で、あの台詞で成立することとは、別だし、二人の友情が存在したとは思えないのだ。友情ごっこ?友達になれたらいい、そういう気持ちと、小さな努力はあっただろうけど。。。

好きなキャラbest3
3位 水澤さんの怪演 (キャラではない)
2位 後輩 田代
1位 ダントツ、クリーニング屋さん

特別賞 太田さん あのシーンは、個人的には好きになれないが、監督の手腕で、あの熱演を引き出したと思うから。

クリーニング屋さんは、この作品の希望だ。

好きな台詞
「肌で感じることは、大概正しい」
プラス、マイナス、両方の意味があるが、心にしみる

でも、これって、「信じるか?疑うか?」とは矛盾してる気もする。

JMAXtheater富山、舞台挨拶で、魚津のサンプラザのシーンで、普通に買い物してた水澤さんが映り込んでるって、監督が言われたが、どのシーンか分からない

6回観たが、もう新たな発見はないような?😢 一度も、涙も出ず、心が震えないのは、作品の良し悪しというより、自分の感性や考えと合わないのだと思う。美しい星は88回観て、毎回、震えるのに。。。

監督がinterviewで話している『友情』が私の心には全く響かず、ついていけない。明快な答えを示さないのが監督の作品ではあるが、この作品で何かを感じるとしたら、私は『人間の欲』で『友情』を感じることが出来なかった。

羊の木の絵
私は、6➖1ではなく、5➕1だと解釈している。
1は再生担当の彼女と🌱

私も、「あや」は不要だと思う。
トークショーで、彼女は七人目の人物と言ってたが、青春話を入れることによって、話が緩慢になった。

美しい星を誉めたプロの方々が羊も同様に誉めていたり、星はダメだったが羊は良いという監督ファンがいたり、人それぞれ。私は、美しい星を愛し過ぎてるからかな?とは思うが、別な作品として観ても、☆3つになってしまう。

是が非でも観客を劇場に呼ぶという意味では予告編は大成功しているが、主演持ち上げ過ぎの過剰宣伝には、映画はビジネスと分かっていても、気持ちが冷める。でも、興行的にはヒットして成功するのでは?

鹿児島での舞台挨拶に参加

7回目で初めて気づいたこと。
🌱の時、子供達の声が聞こえる。🐢の時、小学生と一緒にいたから?私は、子供は再生の象徴なのか?と思った。

田中泯さん「羊の木は6人の殺人犯の話なんです。月末はコーディネーター」

監督「二時間では短いという意見があるが、二時間で語れなければ100時間でも語れない」

 二時間の中の配分の問題だと、私は、思っているけど、監督の中では友情が占める割合が高いのだ。。。

羊の木 では、監督は度々「自信がある」という言葉を使う。美しい星 は、「自分の好きなもの」を全て入れたと言い、リリーさんも「大八さんにしか分からない世界」と言った。2つは、取り組み方や製作の意識が違う作品。
羊の木 で、吉田大八監督 の世界に触れた方、美しい星 も観ていただきたい

鹿児島で、あらためて感じたこと:
港でビール瓶が割れても、全く動じず、杉山への怒りのレベルがひたひたと上がって行く車の中の宮腰の表情に、一番、狂気を感じた

8回目 二子玉のトークショーに参加

監督談
宮腰をサイコパスと呼ばないで!

拉麺屋は実在する魚津市の店。
あの名前、監督が造ったのではないと判り、ファンとしてホッとしました

羊の木のタイトルは、正直、良く分からない謎のままでいいが、敢えていうと、動物と植物の生のサイクルが違うことを表しているみたいな?

トークショーは楽しかったが、作品への愛情は、やっぱり、生まれず、ごめんなさい。

ただ、後輩田代は、観るたびに愛情生まれてきたかな?台詞回しが、絶妙

友情は、私は、何度観ても感じられない

9回目豊洲トークショー
監督は、本当に、二人の友情を気に入ってる。
今日の話でも一番熱く語った。インタビュアーが、月末の部屋でのシーンについて、質問しようとした時、感極まって泣き出したそうだが、私は、友情とは思えないし、全然心に来ない。監督が一番気持ちを込めたテーマに共感出来ないのだから、本当に、🐑とは合わないんだと、ダメ押しだった。

宮腰は、最初は、もっと、凄い悪者にしてたが、途中から友情にシフトしたそうだ。

何故、悪を突き詰めなかったのか?振り切ったキャラにした方が良かったよ、絶対。中途半端な友情話にした意味が、分かりません、私には。

以下、作品評価とは関係ない記録と個人的な気持ち

10回目 品川トークショー
監督 + 安藤玉恵/水澤紳吾
監督がトーク中の撮影は何故ダメなのかと訊いているのに、スタッフは最後の僅かなフォトセッションしか許可せず。最前列では、スタッフが動画撮影、最後には後ろの観客の視界を遮るように撮影。プロデューサーは自分の📱で、ずっと撮影。観客より自分達の記録優先。鹿児島では、最初から観客は撮影できた。

11回目 池袋トークショー
監督 + 優香/細田善彦
撮影不可。公式カメラマンが視界を遮り、また見えなかった。
営業的なトークにがっかりした。
出演者を見られて嬉しい観客がほとんどだろうから、あれで良いのかもしれないが、美しい星でのトークとあまりに違うから、哀しかった

12回目 角川シネマ新宿 監督Teachin
作品が大好きな人が集まった感じ?
一時間立ちながら、質問に答えてくれた監督は楽しそうで、初めて、監督らしいと感じた。私は、質問しなかったが、友情についての質問への答えが聞けて良かった。
監督が考える友情は軽いもので、相手から、友達だよねと言われたら、ああ、そうなのかと思ってしまう。監督にとっては、友情の定義、ハードルが低いってことだ。宮腰と月末が、それぞれ思う友情のレベル、定義は違っただろうという説明は、納得が行ったかな?二人が同じレベルで友達だと思って描いてはいないと分かったことは、私には良かった。

13回目渋谷シネパレス トークショー
作品のことというより、楽しいお喋り
松尾さんのトークはさすが関西人
市川さんは、非常にチャーミング
二人が絶妙な感じで盛り上ったから、監督も楽で、良かった
「信じるか疑うか」は、宣伝の後付け。
やっぱりね。

14回目 横浜Jack&Betty
吉田大八監督と安藤玉恵さんトークショー
本当に自然体で観客のためのトーク
唯一満足できたトークショー
劇場支配人の方が素晴らしかった

15回目 下高井戸シネマ
吉田大八監督 ティーチインとサイン会

太陽系連合関係の話:

①桐島の後ぐらいに監督が観にきたら、#橋本愛 さんも一番後ろで観ていたらしく、下高井戸駅のホームで出会った。
②質問した男性は、#美しい星 のレストランシーンでエキストラ出演して、暁子の向かいに座って
③サイン会は下高井戸シネマさんの企画だった。日本で初めてのサイン会とPD氏が言われたが、監督は、#美しい星 では毎回していたと言われた✨


15回観てきて、最初から最後まで感じた公式宣伝とPDについての残念なこと:

映画を支えるのは、観客のみ。
劇場に来てくれた観客に、地元に根付いた劇場に、感謝の言葉も無く、自分の感想だけを述べるのは本末転倒。何とも哀しい、情けない。
満席のお客様ですよ。。。
感謝を示すツールがSNSなのでは?

16回目 目黒シネマ
監督のTeach in に、脚本の香川さんも登壇。美しい星を観たくて来られたそうだが、以前と同じく、個性的。

🐑プロデューサーと友達だという事を初めて知ったと同時に、今までの宣伝手法も、あぁ、それでかみたいに思った。大八作品と彼女のプロデュース作品しか観ないと言い切ってびっくりした。

大八監督とは昔からの友人だから、緩いトークで、🐑の友達の描き方は、二人が、この年になったからで、若かったら、ああはならなかったと香川さんが言った時、だから、私はこの作品が好きになれないんだと再確認した。

大八監督は、若い時と違い、最近は、友達と知合いの垣根が無くなり、気軽に友達と思えると、今回も話した。私は、年を重ねるほど、垣根が高くなり、安易に友達とは言えなくなったから、やっぱり、この作品の根幹とは相容れない。
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