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羊の木のJIZEのレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
1.9
過去に重罪を犯した元受刑者6人が寂れた地方の港町に移住してきた事で更正と破滅を歩むそれぞれの生き様に迫った心理サスペンス映画‼一見本格サスペンス風の煽りを前半ではゾクゾクするような静けさの雰囲気に乗せて展開を魅せるが動向はほぼ何も起こらず6人の心の機敏を単調にデフォルメしただけの凡庸な作品だった。まず市役所の職員を勤める主人公の無個性で周囲に振り回されっぷりがなんとも滑稽で主人公に魅力を一ミリも感じない。また本作のキービジュアルとなる羊の木だが"ユートピア"や"再生"を意味している。つまり新たな新天地で居場所を求める元受刑者になぞらえた比喩に他ならないだろう。机上の空論に過ぎない国家更正プロジェクトの軽率さを揶揄した含みにも俺は感じました。欲を云えばもっと元受刑者6人が平穏な魚深市を巻き込み複雑に絡み合うシナリオが観たかった。所謂,事件が起きそうで起きない...雰囲気だけは無駄に高まるがそれに伴う事象がほぼ何も起きない...リアルな動向は薄めで桃源郷のような架空サイドで話を固めすぎた駄作でした。
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